2016年6月30日木曜日

バター試行錯誤

バターをどう扱うかについて、まだ試行錯誤が続いています。
今年の初めごろ、固いバターを細い糸状にして、パンに塗りやすくするというバターミルを使いはじめましたが、わりとすぐ、夫が入院しました。そして、夫の入院中に息子が来て、十日ばかり泊まって帰っていきました。

息子と私がバターミルを使うのに、何の問題もありませんでしたが、夫が退院してきてからは、バターミルを使うたびに、回して止めてあるミルの部分が外れます。

「外れちゃったよ」
メカには私よりずっと強い夫ですが、最初から、何とかするつもりがなく、外れたのを私によこします。
「外さないように使ってよ。ミルの縁を持ったんじゃないの?」
「持たないよ。デザインが悪すぎるよ」
「なんでいつも外すのか....」
「おれが悪いわけじゃないよ」
注意深く扱わないと、外れやすいことは確かですが、毎回となると始末が悪すぎます。


折も折、燕三条でバターを削り取るバターナイフというものを売り出したのを知りました。


バターミルのパクリというか、そっくりな穴が開いていて、それをバターに押しつけて、バターを削り取って使います。
「使い勝手はどうかなぁ」


バターミルは、失敗だったので、このナイフを買うのを、しばらくは躊躇していましたが、バターを使うたびに気を使わなくてはならないことに、とうとう疲れ果て、注文してみました。
どの程度の力で押すとバターが削れるかわからなかったので、 バターは深いバター入れに入れておきました。

手前から、奥へと押しますが、思ったほど力は要りません。
ただ、バターナイフがかなり曲がっているとはいえ、新しいバターでちょうど角度がいいくらいなので、バターが少なくなってきたら、削れません。
平らで蓋が深いバター入れに入れた方がよさそうでした。


パンに塗るのも、なかなかきれいに塗れます。
バターミルだと、せっかくの糸状に削れたバターが、バターナイフで集めると、お互いにくっつきあって丸まってしまいましたが、これだとそんなこともありません。


バターに、削る面をくっつけなくてはならないため、ナイフ面と柄に角度がついているので、バターナイフを置いたところにバターがつかない、これはなかなか便利でした。


さて、固いバターが嫌なら、冬以外はちょっと早めに冷蔵庫から出して常温に置いておけば、柔らかくなるので問題ありません。
冬は冬で、バターを小さな玉に丸める道具があるので、それを使うと、ある程度柔らかくなったバターを使えます。
ただ、毎日優雅な生活をしているわけではないので、食べようとしたときにすぐ食べられることが肝心、今度こそ「あたり」でしょうか?






2016年6月29日水曜日

どうするの?

先日、水戸に出かけたとき、街道わきの天ぷら屋さんに寄りました。
交通量の多い街道沿いの食べ物屋さんは、栄枯盛衰が目まぐるしく、ほとんどが開店したかと思う間もなく閉店に追い込まれてしまいます。
それでも次々と開店するのは、地の利がいいので何とかなると、楽観的に開店してしまうからなのでしょう。

そんな中、この天ぷら屋さんは長く続いています。どの席もカウンターにつながっていて、手ごろな値段で、揚げたてを次々と盛ってくれるので、いつも家族連れや一人客で賑わっています。
その日、私たちはアナゴ丸々一匹が、大きな丼からはみ出している天丼をいただきました。もちろん、エビや野菜も乗っていました。


その日、天ぷら屋さんの窓のわきには、セルロイド(プラスティック?)のお面が置いてあって、「ご自由にお持ちください」と、張り紙がしてありました。
どれも知らないキャラクターです。
子ども客にあげるものだとは思いましたが、訊くと、「どうぞ」ということ、いただいてきてしまいした。


これは、顎の下にシールがあり、「タツノコプロ・てやんでえ」と読めました。
調べてみたら、『キャッ党忍伝てやんでえ(きゃっとにんでんてやんでえ)』の、プルルンという女の子の、猫型アニマロイド(アニマル+アンドロイド)のニャンキー3号でした。
そんなことは知らずにもらってきましたが、知ってたら、忍集団のニャンキー1号のヤッ太郎ももらってくればよかった、ヤッ太郎はエドロポリスっ子で、
「てやんでえ、ヤッ太郎じゃねえか」
が口癖のリーダーだそうでした。


そして、もう一つは、シールに「東映動画」と書いてあるだけで、いったい誰なのか皆目わかりませんでした。
さて、誰に被らせて遊ぼうか。
そういえば、長い間、お面を被って遊んでいる子どもたちを見たことがありません。







2016年6月28日火曜日

藁馬、藁牛


新潟県新発田(しばた)の、近郊の村々でつくられたわら馬です。
わら馬は、田んぼの神が乗る馬と言われていて、毎年8月6日に、豊作祈願のため、門口に吊るす風習がありました。
吊るした日の翌日には、わら馬を川へ流す地域と、柿の木に移してまた吊るす地域があったそうです。柿の木に吊るすのも、稲の豊作祈願同様、「実りが多いこと」を祈念してのことでした。


材料は、稲わらですが、たてがみの部分には、稲の若い根を用いているそうです。
稲の若い根って何かしら?
補植用に、田んぼの片隅に植えておいたものの、その必要がなかった苗を抜いて、大切にとっておいたものか、その辺りは不明です。
また、稲わらに加えて、部分的にスゲを使ったものもあったようです。


頭の部分も、若い根でしょうか?
とても細かい細工です。
  

やはり、新発田の牛です。
胸のあたり、脚のつきかた、背中から尻尾にかけてなどなど、牛の特徴をよくとらえていて、稲わらの使い方も見事です。


太く、細く綯ったわらを使い分けて、顔、角、耳が表現されています。
冬の農閑期の副業でつくられたものだと思いますが、馬や牛の身近に住んでいる人がつくった感じが、細部からよく伝わってきます。


今では、馬も牛も、生活の中から消えてしまいました。







2016年6月27日月曜日


先日、水戸にある常陽史料館に、やべふぢこさんの人形展を見に行きました。
常陽史料館は、茨城県の地方銀行である常陽銀行が、文化事業を行うために設立した公益財団法人である常陽藝文センターが運営しているものです。

そのとき、以前、常陽銀行で順番待ちをしているとき見た、『常陽藝文』のバックナンバーのことを思い出し、手に入るかどうかたずねてみました。『常陽藝文』は、常陽藝文センターの刊行している月刊誌で、私の欲しかったのは、クズを特集している号でした。
幸い、バックナンバーがあるとのこと、ちょっと離れた常陽藝文センターまで、いただきに行きました。


「特集 いばらき葛百科」
第一章 「憎まれっ子世にはばかる」的な「葛の繁茂の現状
第二章 「世のため人のため」に役に立ってきたその歴史
第三章 「郷愁を誘う」葉・花は文芸作品や伝説に登場
第四章 「驕れる者久しからず」とはならない葛との共生を考える
と、多角的にクズをとらえた、力の入った編集です。
 

まず、鉄道に沿って、高速道路に沿って、川に沿って、海岸線に沿ってのクズの旅をしています。
どこででも、嫌でも目に入るクズ、私ならカメラを向けないだろうクズの写真が、たくさん掲載されています。


クズの紋。
なかなかかわいい紋です。


葛根湯などクズを材料にした薬。


葛粉など、食材としてのクズ。
新芽と花はよく天ぷらにして食べますが、葉も美味しそうです。

月岡芳年「新形三十六怪撰 葛の葉きつね童子にわかるゝの図」

「恋しくば尋ね来て見よ和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」
子を置いて去る狐、葛の葉の話は、なぜか小さいころから知っていました。


そして、嫌われもののクズを、活かしてみようと、繊維を採って織物をしている「染めと織りの会」の活動も、紹介されていました。
この本を読んだからと言って、クズを好きにはなれませんが、なかなか面白い企画でした。

ところで、昨日は、私の住む集落の林道の草刈りでした。
20人弱で、二本の林道の草を刈りました。ほとんど誰も通らない林道の方は、うっそうと草木に覆われていましたが、なかでもクズの勢力はすごく、『常陽藝文』の写真のように、クズしか見えない場所もたくさんありました。
お隣のたけさんに、
「昔はつる(このあたりでクズのこと)は、牛の餌だったんでしょう?」
とたずねてみました。
「んだ、牛だけじゃねえ。馬もだ」
そう、どこの家にも牛や馬がいて、クズは栄養価の高い飼料だったので、みんながこぞって刈ったので、今ほど我が物顔でのさばることはできなかったのです。

林道の草刈りも、以前はもっと時間をかけて丁寧にやっていましたが、みんなが年を重ねて、今ではさっさと済まさないと息が上がってしまうので、おざなりなやっつけ仕事になっています。
耕作放棄地がさらに増えているなか、クズの天下は、当分続きそうです。











2016年6月26日日曜日

ポニー・クランプ

電動の大工道具を収納する棚をつくりはじめました。棚板の厚みは2センチ、奥行きは、場所によっていろいろですが、30センチかあるいはもう少し深いのもつくるつもりです。
厚みが2センチくらいで、幅が30センチくらいの木材は、既製品にはありません。そこで、厚みが21ミリ、あるいは24ミリで、幅が21センチか24センチの板を、接ぎ合わせることになります。
21センチ(7寸)、あるいは24センチ(8寸)幅の板は、破風板の既製品があります。
 
 
板を接ぎ合わせるときはクランプや播金(はたがね)を使います。
締める力の強さと、使い勝手のよさで、板接ぎにはアメリカ製のポニー・クランプ(左)が欠かせませんが、いつも建具や家具をつくっているというわけではないので、これまでポニー・クランプは三本しか持っていませんでした。播金(なぜか行方不明中)も四本あり、それで間に合っていました。
しかし、これからしばらく続く棚づくりを考えて、買い足すことにしました。
「高いなぁ」
ちょっと、考えてしまう値段です。
ネットでさらに探していたら、完成品ではなく部品だけ売っているのを見つけました。


アメリカでは、ポニー・クランプの部品だけを買って、それをどこででも手に入るガス管に取りつければいいという、考えられた道具だったのです。
ところが日本では、ガス管の規格が違うし、同じ太さのものが見つかっても、ねじ山の形が違ったら使えません。それを見越して、部品を売っているお店で、ちゃんとねじを切ったパイプも別売りしていました。


四分の三インチ太さのパイプ、これを部品に取りつけます。


自分でねじを嵌めるだけの手間とも言えない手間ですが、嬉しいことに完成品の半額で買えました。

この長さのパイプで、できあがり寸法が90センチ幅の板まで接ぐことができます。
約30センチ幅の棚板を接ぐには、もっと短いパイプでも十分ですが、大はいつでも小を兼ねるので、長くてもそう不都合はありません。
もっとも、パイプの両端にねじを切ってあるので、パイプを半分に切断して、部品をもう三個買い足せば、これで合計六本の短いクランプができることになります。


さて、暇を見つけては、板を一枚ずつ接いでいます。
雨ざらしにしていた板も、木端だけ削って接ぎ合わせて、あとで自動鉋をかけます。
接いだものをためておいてから、一気に加工する日が楽しみです。







2016年6月25日土曜日

着物の染め型紙

先日、北条の矢中の杜に、毎年恒例となった「手ぬぐい展」を見に行きました。
今回は縁起物の手ぬぐいを中心に、縁起物の郷土玩具、それに北条の染物屋さんに残っていたという、染色の型紙が展示されていました。
また、以前、少女のおもちゃが飾られていた戸棚には、手ぬぐいに関する本が展示してありました。手ぬぐいに関する本って結構あるんですね。

さて、ちょっと前まで、どんな町にも染物屋さんがありました。
我が家のお隣のちよさんから、ちよさんのお母さんが織ってくれた木綿の反物を、地元の紺屋で染めて仕立てた着物を持っているという話を聞いて、見せてもらったことがありました。
かつて、反物を染めてもらうのも、薄い色の着物を染め直してもらうのも、当たり前のことでした。


北条の染物屋さんに残っていた渋紙の型紙は、どれも手の込んだもの、かつてはこんな型紙を彫れる人がたくさんいて、日本全国の染物屋さんに供給できていたということに、改めて感動してしまいました。
流水と桜、素敵なバランスです。


その桜の型で藍染めした布です。
朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の滝子さんも、こんなお布団で寝ています。


実った稲束と、雀。
たくさんの型紙のどれもが素敵でしたが、雀を配してあるところが、なかなかのものです。稲の収穫を考えると、すぐに雀が思い浮かぶほど、お米と雀は切っても切れない関係にあったのでしょう。少しでも多くお米を収穫したい農家にとって、雀は憎い敵だったはずなのに、なぜか雀への愛情が感じられます。

雀は人里にしか住めません。ツバメ同様、人家の近くで子育てして、雛をカラスなどの敵から守ります。
しかし、雀が巣をつくってきた茅葺屋根はなくなり、瓦屋根の下には、近年では必ず雀除けをつけるので、雀の巣をつくる場所は狭められてきました。 そのため、雀の数は、近年激減しているようです。
我が家も雀除けをつけています。母屋が建ちあがったころは、雀が瓦の下に入れないかと探っていましたが、あきらめざるを得なくて、今は家の周りに雀はいなくなりました。


雀の型紙を使って藍染めした布です。







2016年6月24日金曜日

紐掛け

この土地に出逢い、家を設計しはじめたときから、夫は家をコの字形に建てようとしていました。
建物の中にどう住まうかというよりも、三方を閉じて、一方だけを開いた中庭をつくりたいというのが関心事で、完成図は頭の中にくっきりとありました。
東と南北の三方を建物で閉じると、その後ろで木々が建物を抱き、さらにその背後には低い山々があるので、山で抱かれているという、三重構造になります。
住む家をつくるというより、空間を感じる大きな彫刻をつくっていると言った方が、ぴったりするかもしれません。

その最後の一辺である、東の門と駐車場の基礎コンクリートは、作業棟と同時進行させていたので、すでにできています。
ただ、建物をつくってしまうと、工事の車が作業棟に近づけなくなるので、門を建ちあげるのは後回しにしていたのです。
材木は、すでにほとんどそろっています。
足りない材木を買い足して、一気に門まで建ててしまいたい。日に日にそんな気持ちが高まったようで、続けて門を建てることになりました。

中心になる門の柱は、その昔、いつもの材木屋さんのセールのとき安く買ったケヤキがあります。
今回、その材木屋さんに、それに見合う厚みと長さの、ケヤキの梁を見積もってもらいました。16センチ厚み、30センチ幅、320センチ長さの材ですが、後で聞いたら我が家の事情(自分で建てている。銘木にこだわっていない)を知らない人が見積もったとか、出てきた値段は、かなり高額でした。
「こんなに高いのは、買えないなぁ」
というわけで、もっと安いのをさがしてみるという材木屋さんに断りを入れ、ケヤキなら、たくさん在庫のあるかんばやし製材所に、安く分けてもらえるケヤキがないか訊いてみました。

このあたりの家では、もともと防風林として、屋敷地にケヤキを植えていました。その落ち葉は田んぼに肥料として入れる、お米づくりに欠かせないものでした。
ところが、茅葺屋根の家はめっきり減り、気密性の高い家を建てて暖房の形態も変わったので、防風林の重要性はなくなってしまいました。しかも、落ち葉の代わりに化学肥料を使うようになると、ケヤキの大木は、うっとうしく、大量の葉を落とす、ただの邪魔な存在となりました。そのため、農家ではこぞってケヤキを伐りたいと思うようになりました。
そんな、屋敷地に生えていたケヤキの大木を、かんばやし製材所では伐って引き取り、製材してたくさん持っているのです。
「あるよ。安いのをさがすよ」
ちょっと白い部分が混じっていて、虫食い部分もありましたが、格安のケヤキを用意してくれました。

ところで、我が家に置いてある材木と、材木屋さんで買い足す材木とは、材木屋さんがプレカット屋さんまで運び込み、加工したものはまた我が家まで運んでくれることになっています。もちろん、頼めば他所で買ったケヤキ一本、喜んで運んでくれるのですが、高額のものを断った手前、ちょっと気が引けます。
というわけで、自分でプレカット屋さんまで運ぶことにしたら、製材所のひろのくんが軽トラックに積んでくれました。


まず、荷台の後ろに、滑らないように、そして高さも出るようにと、角材を固定しています。

 
紐の掛け方は、あくまでも美しいものです。
左端にかんばやしさんの手が見えますが、ひっきりなしに指示を出しています。
楽しそう!


角材をくくりつけたら、ケヤキを乗せます。
 

バランスよく乗りました。


次に、ケヤキに紐を掛けます。


ほぼ紐をかけ終わったところです。


この結び方、紐が締まり、張ってあるかぎり解けませんが、外すとき緩めると、簡単に解けます。
私も結べますが、いつもやっていないので、もたもたとしかできないし、引っ張る力も弱いものです。


後ろに回した紐は、かすがいで外れないように止めてくれました。


念には念を入れます。
荷台の前に、ほぼ同じ幅の板を打ちつけて固定し、その両脇に紐を掛けて、ケヤキの横揺れを防ぎます。

約一時間走って、峠を越えた山向こうのプレカット屋さんまで、ケヤキを運びました。
プレカット屋さんでは、
「こりゃ、しっかり締めてあるなぁ」
と、感心しつつ、解くのに、ちょっと手間取ったりしました。

89歳のかんばやしさんは、訪ねたときは製材機械に乗って作業中でした。
私たちがケヤキを運び込んだのを見て、わざわざ出てきて荷卸しを手伝ってくれた、プレカット屋の理事長は90歳、
「今度はおれに言え。もっと安く買ってやるから」
とばかり、熱烈歓迎してくれました。
理事長は、毎日9時から5時まで出勤しているとのこと、ご長寿のパワーに励まされた一日でした。







2016年6月23日木曜日

ヤンポ

「ボンボニエール」という言葉には、そう馴染みがありません。
でも、「ボンボン入れ」というと、なんとなく思い浮かべられます。そう、ボンボニエールは、ボンボンなど砂糖菓子を入れる、掌に乗るサイズの蓋つきの小箱のことです。
フランスでは、子どもの誕生祝いや、結婚式などのお祝いの場に砂糖菓子が添えられることがあり、ボンボニエールが利用されてきたそうです。

さて、明治以来、皇室では慶事の引き出物として、フランスのボンボニエールを取り入れ、その小箱に金平糖を詰めたものが使われてきました。
皇室のボンボニエールは、銀器や銀器に七宝を併用したもの、漆器、陶器、竹製などで、古典的な題材から意匠した、雅で複雑な形のものが多いようです。

そして、シンプルな丸型のボンボニエールを「ヤンポ」と言います。ヤンポとは、いったいいつ生まれた言葉か、誰が使っているのか、ボンボニエールより、もっと馴染みのない言葉です。


その、銀の打ち出しでつくったヤンポです。
 

銀ですから、表面が黒ずんでいますが、空気に触れない内側には、銀色がそのまま残っています。
通常、ヤンポは掌に乗る大きさで、直径が8センチから10センチほどのものです。


ところが、このヤンポは直径が2センチほどしかない、ミニチュアのヤンポです。
これは飯籠のミニチュアとセットでした。
どうして、この二つがセットになっていたのかは、わかりません。
小さなヤンポは、楽々開けることができて、ぴっちり閉まります。


他にもいろいろな道具がセットになっていたのが失われたのか、あるいは反対に、別々だった竹籠とヤンポを、誰かがミニチュアどうしということで、たまたま組み合わせたのか、不明です。
それでも、一緒にすると、お互いのかわいらしさが引き立っているような気もします。







2016年6月22日水曜日

しっくい塗り


足場撤去の期日が迫る中、どうしても東側、切妻の壁は塗ってしまわなくてはなりませんでした。
どんなしっくいがいいのか、誰かに訊く暇もなく、ホームセンターから、一種類だけ売っていた「ハイしっくい」を買ってきました。
袋の説明を読むと、2キロに対して、2リットルの水、かなりゆるめです。


「マスク、眼鏡、手袋着用のこと」という注意書きがあり、それだけで、かなりビビりますが、粉は細かいし、繊維も混じっているので、せめて練るときだけでも、マスクは必需品のようです。


下塗りが汚いし、しっくいそのものもうまく塗れないし、四苦八苦しましたが、なんとか、足場撤去前にやっつけました。まったく、やっつけたという言葉がぴったりです。

以前左官屋さんにやってもらった母屋のしっくい壁は、地震でひびが入ってしまったところを見ると全然別物で、しっくいの厚みが5ミリ以上ありますが、私が塗ったのは薄い。ペンキに毛が生えたようなものです。


それでも、遠目には白壁に見えるところが救いです。


末代に汚名を残す仕上がりとなりましたが、足場も外されてしまったし、もうなんともなりません。
やれやれ。
まだ、本屋根の下、下屋の上の壁が残っています。