ラオス、ヴィエンチャン近郊の村でつくられている蒸したもち米入れ、ガティップ・カオ(タイ語ならクラティップ・カオ)です。
どうも日本向けに小物入れとしてつくってもらったらしい、そのため、ガティップ・カオにはつきものの、紐抑えと紐がついていません。
かつては紐も、ヤシの葉で編んだりした味わい深いものがついていたのかもしれませんが、私の知る限り、40年も前からナイロン紐などがついていて、取り外してしまいたくなるのも、むべなるかなという感じですが。
のぞいて見ると、中は竹を半削りした皮の部分を表に出しています。
つまり、この籠は二重に編んであって、外から見ても中から見ても竹の皮側しか見えないつくりになっているのです。
編み方は、半皮つきの薄く薄く削ったひごを、皮を内側して、底から編みはじめます。形ができたところで口(縁)で折り返し、口から数段は形が崩れないように「綾編み」を続け、途中で形を自在に整えられる「平編み」に変えて下まで編み、底にかかったときに再び綾網に戻して、編み目を詰めると同時に形崩れしないように編んであります。
底を見ると、竹の端を始末したりした「編み終わり」感がなんとなく漂っています。
蓋の方はと見ると、こちらは編みはじめですから、本体の底に比べるとすっきりしています。
蓋の縁は折り返して始末してあるので縁は二重、蓋の中だけ、竹の半皮つきでない方(裏)が見えます。
それにしても、湿らせているとはいえ折れやすい竹を難なくきれいに縁で織り込んだ腕、ラオスの籠師さん、お見事です。
ヴィエンチャン近郊の村で食事をいただいたことも何度かありましたが、この形のガティップ・カオには、出逢ったことはありませんでした。
ラオスでもっとも一般的なのは、この形でしょうか。
これらはラオス南部、パクセあたりの人がつくったものです。
タイでも、東北部と北部では蒸したもち米を食べる文化を持っています。
クラティップ・カオも村によって形は様々、竹と木の板との組み合わせたものもあり、ラタンと木を組み合わせたもの(左奥)もあります。
蓋の頭が尖った形のクラティップ・カオはおもに、東北部のマハーサラカム県とヤソトーン県でつくられ、使われています。
タイ北部ナーン県の最北部、ラオス国境に近い村の長老の手による、木彫りのクラティップ・カオです。家には長老手づくりの道具がそこここにありました。大きな木のねじ形のサトウキビを絞る道具、たばこの葉を細く刻む道具などなど、いずれも見事なものでした。
木のクラティップ・カオの底は抜いてあり、そこに丸い板を置いて使うようにできています。
私が泊めていただいた家では、前列のような市場で買ってきた竹で編んだコン・カオにもち米を入れていて、こちらが村では一般的でした。
クラティップ・カオとコン・カオの違いは何か、どちらも蒸したもち米入れですが、紐がついているついていないの違いだけかもしれません。クラティップ・カオがお櫃でコン・カオがお弁当箱というわけでもありません。
みんなで田んぼや畑に行くとき、クラティップ・カオをぶら下げていき、出小屋の柱などにかけておいて、食事時にはそれを囲んで食べることもあります。
もち米は朝まとめて蒸したのを夜まで食べるので、紐がついていれば、涼しいところに吊るして置けて、アリにやられる心配もありません。
これはどちらも市場で見かけたクラティップ・カオで、左はココヤシの殻でできています。
ココヤシのものの蓋は、マハーサラカム県やヤソトーン県に見られる形なので、そのあたりでつくられたものかもしれません。
ちなみに、クラティップ・カオやコン・カオは、もち米の乾燥を防ぎます。
コン・カオのいろいろです。
ラオスのもの、タイのもの、山地民のもの、平地民のもの、いろいろ混じっています。
仕事でタイに頻繁に出張していたころ、市場で手ごろなコン・カオを見かけると買っておきました。フタバガキの羽のついた種などを拾ったときコン・カオに入れておけばスーツケースの中でつぶされないで運ぶことができたからです。
コン・カオはあちこちに置いて来たり、人にあげたりしたのに、クラティップ・カオとコン・カオを一堂に集めてみたら、こんなにありました。