壱岐島は長崎県ですが、福岡空港に降り立ち、博多港からジェットフォイルで壱岐島の郷ノ浦港へと向かいました。
私は、若宮さんが84歳の方ということだけ聞いていたので、お会いしてびっくり、その底知れないエネルギーに、仰天してしまいました。
「家にはほとんどいないの。私は遊牧民なのよ」
若宮さんはITエヴァンジェリスト(こんな言葉も知らなかった)として超有名で引っ張りだこ、日本国内のみならず、世界を飛び回っていらっしゃる方だったのです。
11月だけでも、北海道の旭川と函館、一旦東京に帰って青森、そして長野、高知その他いろいろ行き、そして今回の壱岐島ということでした。しかも、壱岐島での講演の次の日には横浜で講演があるので、朝一番で帰られましたが、その間、まったく疲れた様子も見せていませんでした。
「熱中小学校というのをやっているから、ホテルのないところにも泊まるのよ。この前はテントで寝たわ」
「えぇぇ!」
「高知ではカヌーに乗ったの」
「カヌーには前にも乗ったことがあったんですか?」
「初めてよ、ウエットスーツも初めて着たわ」
「へぇぇぇ!」
いろいろなことを面白がっていらっしゃいます。
「81歳で死ねば普通のおばあちゃんだったんだけど、にわか有名人になっちゃった」
若宮さんは、58歳からコンピュータをはじめました。
スマホ時代になり、スマホを使った高齢者向けのゲームアプリがないので、コンピュータ友だちに、
「老人向けのゲームアプリをつくってよ」
と頼むと、
「僕は高齢者が何を面白がるかわからないから、若宮さんがつくったら?」
と言われて81歳のとき、HINADANというゲームアプリをつくったそうです。
iPhoneのゲームアプリは、アップル本部が認証するシステムになっています。そこで、HINADANを申請をすると、思いがけなくアップルのティム・クックCEOにアメリカに招待され、世界で最高齢のプログラマーとして直々に高く評価されて、以後若宮さんは一躍有名になったのだそうです。
今回の講演の表題は、「すでに起こっている未来を生きている、世界のプラチナメンバー」というもので、「電子国家であるエストニア」の紹介をしていらっしゃいました。
エストニアのお話は興味深いものでした。
「電子国家」とは、住民の管理、納税、選挙などなど、すべて役所の窓口なしで、ネットでやっている国です。人口130万人の小国エストニアが、なぜ世界で最初に電子国家になることができて、それに高齢者はどう対応しているのだろうというのが若宮さんの関心事で、それを調べにいらっしゃったのです。
短い滞在中、若宮さんは役所をはじめとして各方面に聞き取り調査をし、ネットで高齢者のアンケートを集め、さらに、ご自身で開発されたエクセルアートの講習会まで開いてこられました。
また、ご自身もエストニア国籍を取ったなど、本題はとても面白いものでしたが、一緒に行きたいという、若宮さんのコンピュータ友だちの小学生の女の子が、自分でクラウドファンディングを立ち上げて旅費その他を集め、一緒に行ったというエピソードもなかなかのものでした。
「友だちはみんなフラットな関係、84歳であろうと小学生であろうと、年齢は関係ありません」
というのが、若宮さんの持論です。
写真は本題に入る前の自己紹介の一部ですが、エクセルを塗りつぶしていろいろな模様をつくるエクセルアートについて話されています。
そのエクセルアートを染めた素敵なシャツを、その日も着ていらっしゃいました。
さて、ネットで若宮正子さんを調べると、なんと世界一元気な84歳とありました。
高卒で就職したのは、一刻も早く自立したかったから、当時は大学に行くと女性は医者か学者くらいしか職業がなかったので、それでは時間がかかるので自立が遅れると、就職を選んだそうでした。
一人旅が好きで、50か国以上一人で旅したそうです。
というのも、最近長男が福岡県の糸島に移住したので、帰りにそこを訪ねたからでした。
ゼロ歳から84歳までに、元気をもらった旅でした。
