2024年5月3日金曜日

『自然を編む知恵と技 箕』


何の協力も貢献もしなかった、ただ、毎月3日の「箕の日」に勝手にブログに箕のことを書いていただけでしたが、山本あまよかしむさんのご紹介で、部数に少々余裕があるからと、東京文化財研究所の無形遺産部から『自然を編む知恵と技 箕』(今石みぎわ編、2024年3月)を、贈っていただきました。
箕のつくり手さんも含めた「箕の研究会」のメンバーたちが力を結集した力作で、目次は、

Ⅰ   総論
Ⅱ  箕のなかの歴史
Ⅲ 箕の東西南北、箕の諸相
Ⅳ 箕をつくる
Ⅴ  箕を科学する
Ⅵ 資料編

の6章からなっています。
つくり方から使い方(煽り方)、各地の箕の詳細と写真、材料、戦後の行商記録などなど、箕に関することを網羅している421ページ、どこを開いても読み応えがあります。
箕を含む手仕事が、日本だけではなく地球上の各地で消えつつある今、箕についてさまざまな角度から詳細に記録されたこの本が、本当はそうであって欲しくないのですが、人類の営みの貴重な記録になり、次世代につなぐよすがとなることは間違いありません。


日本では、弥生の昔から近年まで、箕が脈々と使われてきました。
自然素材で編まれた箕は、いまや存続が風前の灯火ですが、プラスチックに材料を変えて、今でもどこの農家さんにも箕は1つや2つはあるもの、我が家にも、お米をつくっていたころ使っていたプラスティックの箕もあります。


近世から、箕は自給品ではなくて流通加工品で、竹籠は農閑期などに自家用にこしらえる人もいたけれど、箕を自給用につくる人は、ほぼいなかったそうです。
また、前にもどこかで読んだことがあったのですが、竹籠をつくる人と、箕をつくる人は別だったということも、興味深いことです。


というのも、箕をつくる人は、すず竹、根曲がり竹などのほか、フジ、山桜、イタヤカエデ、ヤナギ、葛などなど、何種類もの材料を知り尽くし、適切な時期に山から調達して、それを加工しなくてはなりません。里に生える真竹を使って竹かごをつくる人に比べると、山での材料集めに多くの時間と労力を使うもので、自家用につくるにはハードルが高かったそうです。


『自然を編む知恵と技 箕』は、全ページが無形文化財文化遺産部のホームページで公開されています。




 

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