たいていは二間×三間の、一方だけ庇の深い屋根が二重にかけてある建物を、このあたりでは、「
蔵」と呼びます。
母屋の形は、入母屋、寄棟さまざまですが、蔵はどれもきっぱりとした切妻で、入り口は大きな板戸一枚で、正面の腰まわりは、なまこ壁になっています。
軒下を低くし過ぎないように、上の屋根より、下の屋根の勾配の方が緩やかになっています。その、微妙な屋根勾配の違いが、蔵を美しいものにしています。
蔵の棟木は、ウシと呼ばれています。ウシは、壁から前後に突き出していますが、軒が深いので、あまり雨のかかる心配はありません。それでも、ウシに銅板を被せたり、漆喰を塗ったりして、劣化を防ぎ、それをシンボルのように美しく飾っている蔵も、少なくありません。かつては、左官屋さんの腕の見せ所だったことと思われます。
ご近所の蔵です。毎日のように目にしていますが、読めません。「谷」でしょうか。
鶴と寿、おめでたいづくしの絵柄は、割合目にしますが、二つと同じものがないのが、おもしろいところです。
これもご近所の蔵のウシです。平岡さんのご本家でしょうか。
よく、横を車で通るのですが、今日写真を撮ろうとして、初めてウシの左の鏝絵に気がつきました。
サンタクロース?まさかねぇ。とすると、大黒様?
大黒様なら、こうありたいものです。できたら、恵比寿様とご一緒に願いたいものでもあります。
左官屋さんの稚拙さを目にしたとき、この家の方は、どう思ったのでしょうか?子どもが喜んだので、「まっ、いいか」と思ったのでしょうか?
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