赤ちゃんが握っても、簡単につぶれてしまいそうな、薄い、薄いセルロイドでできた、インドのお人形です。
それでも、両手両足、ちゃんと動きます。ブラウスを着て、スカートをはいて、帯も巻いています。
布は貼りつけてあるだけでなく、縫ってあります。顔は手描きです。たいそう手がかかっています。
30年ほど前、インドに仕事で行った夫がお土産に買ってきてくれたものです。夫は、自分が買ったなんて、完全に忘れているに違いありませんが。
どうして、セルロイドはこんなに薄いのでしょう?それは、材料代を節約するためだけでもなさそうです。今では、布のせいか、どう透かしてみても針穴が開いていた、小さな痕跡が見つけられませんが、かつてはお腹から背中に、細い、細い糸が通してありました。
こんな風に、二体並べて、糸をピンと張って、後ろから吹いて(前からでも)風を送ってやると、人形たちが歩くように移動するおもちゃだったのです。
もしかしたら、このセルロイドは私へのお土産ではなくて、子どもたちへのお土産だったのかもしれません。列車に乗ると、売りに来る人がいそうなおもちゃですが、当時、夫がインドで列車に乗ったとは考えられませんから、路上で実演しているのを見て、買ったのでしょうか?
細い、細い糸は、とっくの昔に切れてしまいました。でも、セルロイドのお人形は、
玄関の飾りだなに飾って、大切にしています。
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