2010年9月17日金曜日

村でつくれる補助道具



損なってわかる、自分の身体のありがたさ、偉大さ。
アキレス腱を切って、車椅子の生活をしてみて、当たり前と思っている二足歩行も、先祖のかけがえのない遺産だったことに気づき、たいせつにしていこうと思ったことでした。

難民キャンプや、地雷被害者のたくさんいる地域で、現地にある材料を使って車椅子、松葉杖、義足などの補助用具をつくっている、ヨーロッパのNGOがあります。現地の人たちに用具のつくり方を教えながら、リハビリテーションもやっています。
以前、カンボジア難民のキャンプだったと思いますが、そのNGOを訪れたときにいただいた、補助用具のミニチュアがあります。さして大切にしてこなかった(笑)のですが、さがしてみましたら、出てきました。ただ、松葉杖もあったのですが、軽くて薄かったせいか、なくなっていました。
引越しするときには、小さくて軽いものをなくさないように、とくに注意しているのですが、なにかしらなくしてしまいます。

本物の補助用具も、現地で手に入る素材だけでつくるのですが、このミニチュアの車椅子は、竹でできています。細い材の接続は、接着剤も使っていると思われますが、径が0.5ミリもないような、竹の小さな釘をつくってとめてあります。
車輪をつくるために、割れやすい竹をこんなに薄く輪切りにできるような人たちですから、本物もみごとにできていました。




方向を決定する車輪が一つだけで、前に飛び出しているのが、この車椅子の特徴ですが、いただいたときは、車椅子に座ったこともなかったので、気がつきませんでした。
車椅子なんかつくらないで、援助に頼ればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、普通の車椅子は、段差のない滑らかな床上で、スロープも緩やかなところだけ使うようにできています。今回、病院の庭まで出てみて、身をもって体験しました。
普通の車椅子が、でこぼこの舗装されてないところでは役に立たないことと、この飛び出ている、方向決定の車輪とは、なにか関係があるのでしょうか?

このミニチュアは、大きな車輪も小さな車輪も回るようにできています。




義足は、木と、皮と、ブリキでできています。
とくに、子どもでしたら成長しますので、成長に合わせて、大きいものに取り替えていかなくてはならないので、ちょっと重いけれど、木の義足の方が、役立つそうです。
習う人たちも真剣でしたし、実際に、たくさんの人たちがこのような義足を使って生活しているのを見ました。ミニチュアの足は皮でできていますが、実物は古タイヤを使っていたと思います。

地雷、そして今ではそれに代わるクラスター爆弾は、絶対つくらない、使わないでいて欲しいものです。クラスター爆弾は、一発でたくさんの爆弾をばら撒き、広範囲を攻撃して、一般の人たちをも殺傷するのが問題ですが、不発弾を残し、それが地雷と同等の役割をするのがさらに問題視されています。

あまり知られてないと思いますが、日本もクラスター爆弾を製造・所有していました。やっと昨年、2009年7月14日のクラスター爆弾禁止条約に調印して、使わないことになりましたが、まだこの条約に調印してない国々がたくさんあり、日本にも、クラスター爆弾使用を放棄すべきではないという意見もあります。

毎年、夏に過去の戦争被害を思い出して、「戦争すべきではない」と叫ぶだけではなく、現在なにが起こっているかということに無関心に暮らしているだけでも、知らずに戦争に加担する可能性が大きいことを考えて、常に敏感でありたいものです。


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