2011年1月7日金曜日

ジャワ島のご飯籠



熱帯林の研修に参加させていただいたときのことです。

インドネシアのジャワ島で、バスで移動していたのですが、あるとき、昼食のために、街から離れたレストランに立ち寄りました。バスを降りて、街道からは細い田んぼ道を歩いて行くような、ひなびたお店でした。確か、ジョクジャカルタの郊外ではなかったかと思いますが、違っているかもしれません。

レストランは川のほとりにあり、靴を脱いであがるお座敷でした。
美しいジャワの農村風景が広がり、広々と素敵なレストランでは、たくさんのボーイさんたちが、テーブルのあいだを、きびきびと動き回っていました。




テーブルに着くとすぐ、私はご飯を入れた籠に、釘づけになりました。どのテーブルにも、足のついた籠に入ったご飯が配られているのです。
ラオスやタイの東北料理店では、籠に入ったもち米を見ますが、インドネシアで、しかも普通のご飯が籠に入れられているのは、後にも先にも、このお店だけでした。

やがて、私たちのテーブルにも、川魚料理と、籠入りのご飯が運ばれてきました。お料理は美味しく、籠のご飯ももちもちした、美味しいお米でした。
籠に夢中の私は、ボーイさんに、「この籠はどこで売っているのですか?」と聞きました。

帳場まで、どこで売っているか聞きに行ってくれたボーイさんは、「お一つどーぞ」と、空の籠を持ってきてくれました。お金を払うと言ったのですが、受け取ってはくれませんでした。




籠はラタンで編んであり、ヤシの葉柄か太いラタンを裂いて板状にした足が、簡単に止めつけてあります。

この籠を見るたびに、何十個もの籠が積み上げてあった、あのレストランの情景が、懐かしく思い出されます。

敷いた布は、東ティモールのイカット(絣)です。





4 件のコメント:

  1. このご飯籠、ジャワ島のワルン(安食堂)でたまに見かけます。殆どのお店が大きな炊飯器から直接ご飯をよそりますが、籠に入っているほうがなんだか美味しそうに見えますよね。
    近くの食品市場で売っていて、先日私も購入しようかと
    迷ったのですが,その時はリュックに入らなかったので断念しました。
    この手の物を市場で散策するのはとっても面白いので、今度私のブログでも紹介しますね。
    下に敷いてあるイカットも素敵ですね!

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  2. sekineさん
    そうですか!他でも見るんですね。しかも安食堂!。私の食べたところは、超高級レストランだと思っていました(笑)!
    あの籠は素敵です。大量にぱっぱっとつくった感じなのに、それでも手仕事の美しさが残っていて。

    東チモールのイカットは、まだ東チモールが独立していないころ、スマトラ島のパダンからずっと山奥に入った町で買ったものです。
    そのとき、布は買ったのですが、箒を買わなかったのが心残りで(笑)。インドネシアの箒は、どれも大好きです。

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  3. 箒とはまた,目の着けどころが春さんらしいですね。^^
    私も今使っている箒,毛足が長く柔らかくって気に入っています。

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  4. sekineさん
    その箒は、箒草の箒ではなくて、ヤシの繊維を束ねて、その束ねたのを曲げてUの字にいくつか組み合わせたような、とても素敵な箒なので、出会ったらすぐにわかりますよ!

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