2011年2月18日金曜日

蛇の目傘





カンボジア土産のTシャツの背中の模様です。お坊さまたちがこうもり傘をさしています。
タイやカンボジアでこんな光景を、ときおり見かけます。

でも、階派によっていろいろな戒律の厳しさがあって、いくら日差しが強いからと入って、傘をさしたりしないお坊さまも、たくさんいらっしゃいます。

一番戒律の厳しいのは、お寺を持たない遊行僧です。
今では、タイも村や人口が増え、遊行僧も歩けば、食べ物を差し出す人々に出会いますが、かつて、まだ森の多かった頃は、何日も誰にも会わず進んだ遊行僧も、数多くいらっしゃいました。
餓死したり、象に踏みつけられたり、虎に襲われたりで、命を落としたお坊さまも多かったのですが、そんなことは恐れなかったそうです。




ビルマに行ったとき、出会うお坊さまが、こうもり傘ではなく、赤い蛇の目傘をさしていらっしゃるのが、とても印象的でした。30年も前の話です。今ではどうでしょうか?
ビルマでは、お坊さま以外は、赤い傘をさす人はいませんでした。

上の小さくて柄の長いのが、ビルマでお坊さまがさしていた傘です。軽く、傘の先端が細くなっていて、糸でぶら下がっている竹の輪で、留めるように出来ています。

下のはランナータイ(北タイ)の傘です。




久しぶりに傘を広げてみましたが、竹の留め具が出て、ぱちっと留まるところまで、どうしても開けません。




タイの傘も、あと一息なのに、壊れそうなくらい力を入れても、開ききることができませんでした。
広げたところのプロポーションも、ビルマの傘の方が素敵です。




ビルマの傘の内側は、いろいろな色の糸で、きれいに綴ってあります。




タイの傘の内側はこんな感じ。ビルマの傘に比べると、あっさりと綴ってあります。





年月が経っているのに、破れもせず、しっかりできているのに感心してしまいました。
油紙に漆も塗ってあるのでしょうか?劣化していないのが、不思議でした。

今日は、雨が降っています。


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