馬のおもちゃは全国にありますが、木馬といえば、東北です。
福島県三春の三春駒、宮城県仙台の木下駒に、この青森県八戸の八幡駒を加えて、日本三駒と呼ばれています。
八幡駒は、八戸市にある櫛引八幡の祭りに行われた流鏑馬(やぶさめ)のために、天和年間(1681-3)に、江戸幕府から南部藩に贈られたペルシャ馬をかたどって、木工師がつくったものと言われていて、後に近くの笹子部落で農閑期の副業につくられるようになったものです。
この八幡駒は父が仕事で八戸を訪れたとき、お土産ににいただいてきたものです。
い い形をしているとは思うものの、私は三駒とも、実はそんなに好きではありません。昔の、荒削りのものは見たことがありませんが、それはどんなものだった か。量産できるようになった、お土産物屋の店頭に並んでいる三春駒や木下駒には、何度出逢っても関心が持てませんでした。はっきりどこがどうとは言えませ んが、郷土玩具とお土産物のあいだには、厳然とした違いがあると思います。
というわけで、三春駒も木下駒も持っていませんが、この八幡駒とは、父が頂いてきた、私が高校生の頃からの長いつき合いです。
長いつき合いといえば、土の八幡駒とはもっと長いつき合いです。物心ついたら、お雛さまと一緒に飾ってありました。
どんな郷土玩具の本にも、土の八幡駒が載っているのを見たことがありません。祖母からは何も聞きませんでしたが、叔母(父の妹)が小さいころ遊んだものでしょうか?
その昔は、籠を担いだおもちゃ売りが、町々、村々を土人形を売って歩いていたと聞きました。それにしても、青森県でつくられたものが、昭和初期に岡山県で売られているなんて、普通では考えられません。
不思議な土の八幡駒でした。
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