2011年6月29日水曜日

生活道具のミニチュア



今でもあるかどうか、バンコクに住んでいた30年前には、月に一度くらいの割合で、山岳民族のつくった手仕事の数々を、展示販売する市がありました。

会場となるインターナショナル・スクールの体育館の前には、いつも時間前には行列ができていました。というのは、一点物も多く、掘り出し物を見つけようと思ったら、早く行った方がいいからです。
開場とともに、長い行列は体育館に吸い込まれていきます。あちこちに人だかりができ、熱気がムンムンし、取りあえず気に入ったものを手にして会場の隅に座り込み、熟考している人たちの姿も、見うけられます。




この市は、キリスト教系のNGOの、山岳民族の人々の現金収入向上プログラムの一環だったので、パッチワークや刺繍の色使いなど、山岳民族の好みの配色ではなく、西洋社会で売れるようなパステルカラーになっているものもありました。しかし、大半は山の人たちのつくるままのものでした。

町のお土産物屋にはない品揃え、品質が良く、しかも値段も安かったので、いつも大人気だったというわけです。

そんな手仕事市で手に入れた、台所道具のミニチュアです。壁に飾れるよう、笊に貼りつけてあります。
真ん中に七輪、上から時計回りに。お鍋、包丁とまな板、クロック(すり鉢)とすりこ木、もち米の蒸し器、おひつ、炒め鍋とへら、そして水差しとグラスです。
笊の大きさが直径20センチくらいと、小さいものですが、山の生活が十分見えます。




これは、笊に貼りつけていない、ばらばらの農具です。やはり手仕事市で手に入れました。
上の二つは、牛につけて。田や畑を起こしたり、均したりする道具、右上の道具で牛や水牛につけます。

下の左の五本は、鍬やスコップ、右にはもっこと竹の水筒と、のこぎりが見えます。




ブリキの鍬、つるはし、スコップも、丁寧につくってあります。




なにに使うものか。よくわからない鍬もあります。
金属を使っていない、手づくり鍬でしょうか。




まとめて突っ込んでいるので見栄えがしません。
笊に貼りつけたらいいかもしれませんが、飾る壁が不足しています。




カンボジアの漁具セットです。
試作だったので、今でもつくっているかどうかわかりませんが、メコン川での漁の代表的な漁具が並んでいます。




川に仕掛けておく筌(うけ)、投網、魚篭(びく)、浅瀬でかぶせて上の穴から手を突っ込んで掴む道具、魚すくいなどです。

ゆったりとしたメコン川が思い出されます。広いところでは対岸まで一キロもあり、直径が人の背より高いような漁具も使っていました。


2 件のコメント:

  1. 今回の品も見事な手仕事ですね。
    日本の鍛冶屋さんの神棚にも、
    そこで作る商品のミニチュアを飾る風習があるそうです。
    私の通っていた鍛冶屋さんの話ですと、
    毎年の仕事初めに作るそうです。
    小さいほど作るのは大変そうでした。

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  2. 鍛冶耕治さん
    鍛冶屋さんが、自分のつくるもののミニチュアを神棚に供える慣習があったのですか。知りませんでした。すてきな慣習ですね。機会があれが見てみたいものです。
    籠も、陶磁器もミニチュアをつくるのは大変そうですが、鍛冶仕事のミニチュアも大変そうですね。釘みたいな鉄を叩いたりするのでしょうから。
    また、機会を見つけて金属のミニチュアもアップします。

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