2011年9月20日火曜日
お菓子鉢
昔、私の祖母の家には、漆塗の菓子鉢がありました。
普段は使いませんが、お客さんが来ると和菓子などを盛って、客用の茶器とともにもてなしていました。
当時は、どこの家にもそんな菓子鉢があったような気がします。
我が家の菓子鉢は緋色で、いかにも「和風」ですが、北欧のものです。
合板でできていて、ステンレスの取っ手がついている、現代風なものです。
背が高いけれど直径が小さい(20センチ)方がいいか、背が低いけれど直径が大きい方がいいか、迷いに迷って、両方買ってしまいました。
両方あって正解でした。どちらも、同じほど出番がありますし、一緒に使うこともよくあります。
どうやって合板にしたのでしょうか。曲げわっぱのような継ぎ目は、まったくありません。型を使い、一つひとつ、丸く曲げながら、ずらして、重ねて、貼っているのでしょうか?
見れば見るほど、不思議なつくりです。
直射日光の当たる、戸外でのお茶には、この琺瑯のお菓子入れを使います。
瓦屋さんや左官屋さんなど職人さんのお茶、手伝ってくれた友人たちとのお茶など、家の建設中はもっぱらこの箱が活躍しましたが、室内の方が快適になったこのごろでは、出番が減っています。
雑貨屋さんで手に入れましたが、もともとは、医療器具入れとしてつくられた箱でしょうか?
菓子鉢に蓋があれば、片づけるのがちょっと遅れても、犬猫にうっかり食べられたりしないので安心です。
お菓子がほんの少ししかないときや、ごくごく小さなコンペイトウのようなお菓子には、アロン・サイスの陶箱を使います。
益子で素敵な織部をつくっていたアロン・サイスは、3月の地震とそれに続く原発事故により、ニュージーランドに帰国してしまいました。
アロン・サイスの自由な形は好きですが、残念ながら織部の色は、我が家のほかの器とはあまり合いませんので、これだけです。
蓋は、ずっと前に三つに割れてしまって、お隣のJさんに漆でつないでもらっています。
見えるところだけでなく、裏まで楽しくつくってあるのが、彼の器のおもしろいところです。
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