2012年1月9日月曜日
カヤン人の手仕事
さがしものをしていたら、古い写真が見つかりました。
サラワクの村で、陸稲を収穫して、干しているところです。
背負子になった、米を入れるラタンの籠は、蓋が籠としても使えるすぐれものです。後ろに広げてあるござは、ヤシの葉でできています。
なんでも欲しがる私ですが、さすがにサラワク州都のクチンから小型飛行機でマルディまで行き、マルディからスピードボートで数時間バラム川を遡り、途中で小型ボートに乗り換えて小一時間、やっと到達する村では、あれが欲しいだのこれも欲しいだの、言いませんでした。
ただ、写真に撮らせてもらっただけです。
川沿いの村にある小路はせいぜい内陸へ向かって100メートルくらいか、あとはただ森が広がっていて、道もないので、もちろん自動車もなく、ものを運ぶときは自分の身体を使います。
手箕。
肩の上にかざして、使う手箕ですが、一ヶ所持ち手がついているところが、おもしろいところです。
白い粉は、たぶんキャッサバを粉にしたものだと思います。
この籠は、同じマレー先住民であるフィリピンの北ルソンの人々のつくる籠を、思い出させます。Lの字に白いところは、傷んだラタンを新しいものと差し替えて、修理したところでしょう。
ラタンで何かつくるうとしているおばあちゃん。
たぶん、足も使ってつくるのでしょう、足の親指はすっかり変形しています。
足がちょっと黒く見えるのは刺青です。腕にもしています。
ヤシの葉の籠。
便利な籠ですが、これくらい簡単な籠なら、朝飯前にちょいちょいとつくってしまいます。
「ちょっと森を散歩しようか」
と持っていくのは、ラタンで編んだ空の籠です。
森の中の洞窟に入り、中でちょっと騒ぎまわって、びっくりして落ちた蝙蝠を捕まえます。この籠は、蝙蝠籠だったのです。
籠の中に蝙蝠の顔が見えていますが、蝙蝠くん、もう逃げることができません。
羽を広げられて、
火にあぶられて、あえなくおやつになってしまいました。
森の中で見たこれ、ラタンの若い葉だったと記憶していますが。
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