田ネズミ捕りの仕掛け(罠)です。
タイの友人ウィチットの甥のムーがつくりました。
タイやラオスでは、お米の収穫時期に限って、落ち穂で太った田ネズミを食べます。
田ネズミを開いて、ニンニクの叩いたものとナムプラーを塗って、半日ほど天日に干したものを焼いて食べます。
想像しただけで、唾が出るような、おいしいものです。
田ネズミを捕まえるのは男の子たちの楽しみであり、仕事でした。
当時、ムーは弱冠八歳くらいでしたが、自作の罠をあちこちに、一晩に二十くらい仕掛け、田ネズミがかかったかどうか、毎朝見て回っていました。
大した道具があるとは思えないのに、細工の見事なこと。
このひっかけるところのある竹片を、
紐でつくった輪と、竹筒の中につけた切り込みにはめて、紐をピーンと張ります。
以前はどうやるかよく知っていたのですが、久しぶりにやろうとしてみたら、忘れてしまっていて、できませんでした。
あまり強く引っ張って、紐が切れたり、竹筒が割れたりしては困るので、仕掛けてみるのはあきらめました。
タイの、民具の本にも、田ネズミ捕りの仕掛けが載っています。
しかし、「所変われば道具変わる」、ピシット県の男の子が持っている写真の道具と、チャイヤプーム県のムーの仕掛けは、違うものでした。
1990年ごろ、八歳だったムーは、数えてみれば、今年は三十歳になっています。十五年くらい前に会ったきりですが、今ではきっと家族も持って、働きがしらになっていることでしょう。
自分にとっては、過ぎた月日は、ただの過ぎた月日にすきませんが、 子どもがりっぱな大人になるような、長い月日であったことには、びっくりしてしまいます。
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