ガーナの北部を旅していた時に、ロビの椅子に出逢いました。
ロビ人は、ガーナ北部からブルギナファソのかけてのサバンナに暮らしている人たちです。
椅子はどうしてこんな形をしているか?
それは、肩に担いで、遠くまで歩くためです。
近くなら、ひょいと肩に乗せただけで、10キロ、20キロ歩いて定期市に行くなら、片手で肩の前にある一本足の部分を、軽く押さえて歩きます。
幅も、肩の幅にできています。
横向きに座ると不安定ですから、またぐようにして座ります。
ロビ人の椅子はみんなよく似ていますが、こんな複雑な形を一本の木からくり抜いているのですから、たぶん歩きながら、
「あの木は椅子にちょうどよさそうじゃないか」
などと、いつも考えているのではないかと思います。
サバンナの道で、この椅子を肩に担いだ男性に出会ったのはずっと昔のことでした。
いつもの悪い癖で欲しがって、譲っていただきました。
ロビの椅子を後ろから見ると、なにか動物のようです。
椅子を担いで、遠くの定期市に、雑穀でつくったお酒の「ピトー」を飲みに出かけていくロビの男性たちは、今もいるのでしょうか?
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