2012年4月25日水曜日

座繰り機


三十年ほど前に、確か益子の骨董屋さんで見つけた、織物の周辺道具です。


糸巻き機であることは知っていましたが、蚕の繭を煮て糸を繰るための座繰り機だとは、ごく最近の新聞記事を見るまで、知りませんでした。

繭を煮ての糸繰りは、タイで何度も見ましたが、結びつきませんでした。というのは、タイでは巻き取りながら撚りもかけているからです。

この座繰り機で糸を巻きとっても、たぶん撚りがかからないのではないか。では撚りはどうやってかけるのだろう?もう一度、糸繰り機にかけるのだろうか?
新聞に載っていた方を訪ねて、聞いてみたいと思うほど、疑問が残ります。
 

この座繰り機は、すべて木(と竹)でできています。鉄釘一本使っていません。木組みと、木釘、竹釘だけです。
左右に動いて、糸を糸巻きに均等に送るための竹のガイドだけが折れていたので、つくりなおしました。



新聞に載っている座繰り機は、下の部分の覆いがないか、とれてしまっているものでしょうか?中が見えています。
これは閉じてありますが、全部開けられるようになってもいます。左の箱の中には、木の歯車が入っています。


左手でハンドルを回しながら、右手は繭から取れる糸一本一本を調節しながら巻き取ります。

織物の道具には、美しくて機能的なものが多いのですが、この座繰り機も、昔の大工さんの腕の確かさに、ただただ感心するばかりです。



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