2012年6月29日金曜日

中米手仕事の服




1970年ごろ、アメリカに住んでいたとき、路上でこのブラウスを着た人と出会いました。
臆面もなく、どこで買ったのか聞いて、その足で行ってみました。
裏通りの小さな用品店で、普通の服に混じって、たった一枚だけメキシコの刺繍のブラウスが残っていました。
値段は忘れもしない35ドルでした。35ドルは今だと3,000円くらいですが、当時は1ドル360円でしたから、12,600円でした。


下にスカートやパンツを組み合わせて着ましたが、ミニスカート全盛のころは、ワンピースとしても着ました。
後に知りましたが、メキシコのオアハカ州、サン・アントニーノ村の刺繍でした。


なけなしのお金をはたいて買ったブラウスは、着なくなった今でも、大切に箪笥にしまってあります。


花模様だけでなく、胸と背中の、小さな男女が手をつないだ刺繍が特徴です。


この、幅の狭い手織り布をつなぎ合わせて、 手を出す穴だけを残して両脇を綴じ、首を出す穴を開けた丈の短い貫頭衣は、グァテマラのものでしょうか?


織り出した模様だけではなく、胸や肩に刺繍もしてあります。

この形のブラウスが欲しいと探しはじめてから何年も経って、やっとめぐり逢ったものです。

襟ぐりが大きすぎるものが、大半でした。前後同じ形に首穴を開けてあるので、穴があまり大きいと、背中が見え過ぎます。穴が横に大きくて、肩からはずれそうなのもありました。
反対に、襟ぐりが小さすぎて、首が入らないものもありました。他は気にいっているのに、首だけ小さいものは、自分で直すことができるかと、手にしてしばし悩んだりしました。

布が目のつんでいないもの、手触りの悪いもの、織り模様や刺繍が雑なもの、ほとんど模様のないもの、色が好きでないものなどもありました。
また、サイズも、大き過ぎるものや小さすぎるもの、値段の高すぎるものなど、どこかしら気に入らなくて、これだと思うものに出逢えるまで、ずいぶんの枚数を見ました。


いろいろなお店でさがしましたが、最終的にこれを買ったのは、確か赤坂ひとつぎ通りにあった(今も、あるかもしれません)、中南米の衣類とカフェのお店でした。


布は厚手ですが、横幅があるので身体から浮いて風を通し、夏に楽しめる涼しい服です。


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