その昔、カンボジアに住んでいた時、カンボジア女性と結婚してバッタンボンに住んでいる友人Mさんが、東城百合子さんの書いた『自然療法』(あなたと健康社)という本を貸してくれました。
『自然療法』の目次は、
一、自然が教える栄養学
二、治療のための自然食と自然療法
三、家庭でできる自然療法
四、自然良能力のすばらしさと体験談
となっていて、治病食のつくり方や手当の仕方が、こと細かに、丁寧に書かれています。
「とくに、この砂療法が気持ちよさそうでしょう?一回やってみたくて」
と、Mさんが熱く語っていたのですが、その時は読んだだけでした。
私のカンボジア赴任の最後のころ、プノンペンに来て合流した夫が、原因不明の湿疹に悩まされていました。日本だったら西式の道場に行く手がありますが、そこはカンボジアです。
と、思いついて砂療法をやってみることにしました。手伝ってくれるというUくんも誘って、シムレアップの海岸に行き、砂風呂に入りました。
本には、普通八時間入るけれど、一、二時間すると、体内の毒素が出はじめるのか、苦しくなる人もいると書いてありました。もちろん一日入る気で行ったのですが、夫は二、三時間しか持ちませんでした。身体じゅう痒くなり、砂に埋まっているのが苦しくなり、出てしまったのです。
せっかく来たのだからと、私も砂風呂に入ってみましたが、さらに短時間しか入っていられませんでした。
しかし、砂療法の効き目はあらたかで、夫の頑固な湿疹は消え、それから割合すぐに帰国したのですが、私は毎年悩まされる足の湿疹に、その冬はまったく悩まされることがありませんでした。
夫の湿疹は以後、出ることはありませんでしたが、私は翌年から、冬になるとやはり毎年足が痒くなります。
どうしようもなくなるとステロイドに頼ってしまう私に、整体師のKさんが、セイタカアワダチソウの入浴材やお茶のつくり方を教えてくれました。
いろいろ質問すると、
「この本に詳しく書いてあるから」
とKさんが貸してくれたのは、なんと久しぶりに見る『自然療法』 の本でした。
家に帰って、借りてきた本をぱらぱらと見ていると、夫が、
「あれっ、その本は家にあるのに」
と言います。
「ええっ、どうして?」
「ずっと前に買ったんだよ」
「なあんだ」
Kさんの本は、さっそく返しました。
暮れに、kuskusさんの家にうかがいました。
なにげなく、居間のテーブルの上置いてあった「守り人」シリーズの本を手に取ると、その下から出てきたのは、『自然療法』でした。
「あらぁ、この本持っているんだ!」
「そう、健康維持のバイブルなの。でも、本当に身体の調子が悪い時は、見る余裕がなくなったりするんだけどね」
kuskusさんは、数年前、重い肺炎にかかったことがありました。病院ではらちが明かずこじらせて、そのときは漢方薬で治しました。即効性のある漢方薬は一服で数千円もするのですが、効き目は見事なものでした。
でも、kuskusさんも普段は『自然療法』派です。私が以前教えていただいたビワの葉の焼酎漬けもこの本につくり方が書いてありました。
amazonでは買えないマイナーな本(失礼!)ですが、こんなに周りの人たちが持っていた確率が高かったなんて、おもしろいことです。
この本の通りに生活すると、どんなに身体がさっぱりすることでしょう。でも、体操は続けられないし、白砂糖を使った市販の甘いものもなかなかやめられない私です。
家や衣類の汚れは目立ちますが、身体の汚れは目立ちません。いつもとはいきませんが、身体の掃除や洗濯も、日ごろから心がけたいと思う日々です。
なんでもステロイド一辺倒も怖いですね。
返信削除昭ちゃん
返信削除そうなんです。突発性難聴を治すのもステロイド、湿疹もステロイド。肺炎もそうだったかしら?
私も使いたくないのですが、皮膚科に行くと、まじめに塗って止めろと言われてしまいます。
で、あまりひどい時だけ使ってしまいます。出たいものは出した方がいいと思いつつ...。
春さん何事にも「好転反応」があるので決め付けが難しいですね。
返信削除昭ちゃん
返信削除そうなんです。東洋医学では、出たいものは出す、湿疹なんてただの予兆なのですから、放っておいて副腎とか腎臓を元気にすることを考えますが、西洋医学なら、湿疹そのものが出ないように抑え込みます。
私も湿疹は出しておいて、腎臓を温めたり、血液の流れがよくなるように白砂糖をやめたりすることが根本の道とわかっているんですが、つい痒いと湿疹をなくすことにしたくなります(笑)。
「好転反応」もありますが、自然治癒力をどれだけ引き出すか、頑張らなくっちゃ(笑)。