2013年1月26日土曜日

吉備津こま犬


吉備津こま犬は、母方の祖父を思い出すおもちゃ(授与品)です。
学生時代に、私が郷土玩具を集めだしたと知って、祖父が買って来てくれました。
祖父は当時は岡山市内に住んでいましたが、吉備郡(当時)の吉備津神社の近くで育って、このこま犬とは、小さいころからのおなじみだったらしいのです。

立ち犬、座り犬、鳩で一組になっているのですが、いつのまにか立ち犬はいなくなり、残った鳩も座り犬も負傷して、治療の跡があります。
いくら脆い土人形といってもきちんと取り扱えばそう壊れないものですが、その昔、人形たちを(今考えれば酔狂にも)はるばるガーナまで送ったとき、小さい荷箱にできるだけ積めようと、お皿の間に滑り込ませたりしたものだから、ずいぶん割れてしまったのでした。
その時の経験から、包み方は進歩しましたが、その後も十回以上引っ越しし、しかもそのつど全部自分で詰めたり出したりしたので、壊れたり、失われたものも残念ながらたくさんあります。


祖父が買ってくれたこま犬に加えて、時代が新しいこま犬セットがもう一組あります。
あまり覚えていないのですが、母が身辺整理をしたときにもらったものかもしれません。両親は(父方の)祖母が健在な頃はもちろん、祖母が亡くなって以後も、なにかにつけて親戚の住む岡山に行っていました。そんなとき、叔父か従妹か誰かに、吉備津神社に連れて行ってもらって、こま犬を手に入れたのでしょう。
昔のものより一回り小さいものです。

こま犬は、盗難、火難、野獣除けになるとされ、子どもの夜泣き虫封じにも効くとされています。そして、鳩は食事時にお膳の上に置いておくとのどにつかえないとされていて、吉備津神社の境内で売られています。


母の父の故郷であるならば、私の故郷の一部でもあるのですが、吉備には一度も行ったことがありません。


6 件のコメント:

  1. hatto2013年1月26日 14:08

    吉備津神社、息子が写真撮りにいってました。(私は岡山市内にいる親戚の見舞でしたので同行できずいつか行きたい場所です)素朴でかわいい作品ですね。表情も優しいです。
    春さん、そういえば古い面白い写真が沢山掲載されているところを見つけましたよ。時間のあるときに覗いてみてください。なかなか楽しい古い時代の日本の写真です。明治時代かな。
    http://www.flickr.com/photos/24443965@N08/sets/72157605714378115/

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  2. hattoさん
    こま犬かわいいですよね。新しくなっても全然雰囲気が損なわれていません。
    岡山は吉備津神社もそうですが、備中高梁とか、行って見たいところがいろいろあります。機会があるでしょうか?日本は狭いようで、いざ行くとなると広いですね(笑)。
    写真、おもしろいです。とくにぼて売りというのか、行商が面白い。こんな籠屋さんに出逢いたいです。もっとも履物屋さんの店先は私が小さい頃とそっくりです。港町にあった祖母の実家に行くと、叔母がすぐ履物屋に連れて行ってくれて、「どれでも選びねえ」とにこにこしていたのを思い出します。
    あと、子どもがけなげですね。いまどき、けなげな子どもにはなかなか会えません。

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  3. hatto2013年1月26日 21:53

    今日、古書イベントに出掛けたら日本の民芸玩具の古本がありそこに、このこま犬達が載ってました!春さんの説明と同じく夜泣き封じ、胸つかえ封じ、、、が書かれてました。備中高梁、ベンガラの町を訪ねたいです。ノートルダム清心女子大学で生理学を教えている親戚がいるので会いに行きたいのですが、ここからも近いようで遠く、やはり何度も行けない場所です。小さな島国ですが、ほんと春さんの仰る通り、行くとなるとどこも遠いですね。

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  4. hattoさん
    古書って、まさか『うなゐの友』ではないでしょうね?『うなゐの友』は郷土玩具を集める人にとってはバイブルで、学校の図書館で何度も見ていました。
    あるいは、西沢笛畝さんや斎藤良輔さんのご本かな?
    おもちゃを集め始めた当時は、収集家の武井武雄さんや西沢笛畝さんも生きていらして、確か「郷土玩具の会」というのがありました。各地方で年に一度しか授与されないものも多かったので、近い人がたくさん買っておいて、他の地域の人と交換したようです。でも同じものを幾つも買ったりできない学生には夢の夢、会に参加しようと思ったこともありませんでした。輸送事情は悪く、情報網も発達していない時代でしたが、地方で収集家を訪問して、コレクションを見せていただくたびに、その膨大さに驚いたものでした。いつの時代にも、変な人がいますね(笑)。他人のことは言えませんが。

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  5. hatto2013年1月27日 13:11

    流石、春さん、ずらりと名前がでてきますね。全国郷土玩具ガイド、、、という本だっか???A5くらいのサイズだったはずですが。あと、春さんが草でつくったフクロウを載せていたでしょう?ああいった、草でつくる本も色々でてました。民俗学の本も色々あり見過ぎて手が真っ黒になり疲れてぐったりして帰ってきました。(笑)たのしいですね、古書は。

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  6. hattoさん
    古書は楽しいですね。見に行きたくなりました。草玩具の本なんて、すぐ欲しくなってしまいそう。
    でもガイド的なものは、今ではネットでカバーが当たり前になってしまいました。本があってもいざというときは、忘れていたり、どこに載っていたかわからなかったりするので、ついつい頼ってしまって...。

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