2013年4月2日火曜日

土地神さま


いつも通る道に、行き路には見えず、帰り路には必ず見える、土地の神さまの祠があります。


祠は木造でしょうか。五年に一度くらい色を塗りかえられています。
いつも鮮やかで、雨の日も、陽ざしのある日も風情があります。

 
やはりいつも通る道で、最近見つけた、土地の神さまの祠です。


道からは奥まった畑の中にあり、祠の手前は牛の飼料のキビを育てている畑なので、夏には道からは見えなくなってしまう場所です。
石の祠はよくありますが、瓦でできた祠は初めて見ました。とっても素敵です。中には石しか入っていません。たぶん倒れないように、重石にしてあるのでしょう。

祠の周りにはたくさんのカナムグラが芽を出していました。こんなに種が落ちていたようだと、昨年は草ぼうぼうで、祠もカナムグラに覆われてしまっていたに違いありません。

八郷には、奈良時代には国分寺、国分尼寺の瓦を焼いた窯跡があります。 よい土が出たのか、このあたりには瓦屋さんもいっぱいあります。
しかし、江戸以前に農家が瓦葺だったとは考えにくいし、江戸時代には民家が瓦葺にすることは禁止されていましたから、奈良時代の国家事業の後は瓦づくりが途絶えて、今ある瓦屋さんたちは、明治の蚕景気で建設ブームの中で、その需要に応えるものとして出てきたものでしょう。

そんな、地元の瓦屋さんがつくったものでしょうか。
今は、瓦は自動機械でつくるようになりましたが、「役もの」と呼ばれる、形の変わった瓦は工程が別で、棟瓦でさえ割高になります。
そして、手で成形しなくてはならない鬼瓦やその他の飾り瓦をつくる瓦屋さんは全国的に見ても少数で、八郷にはもうありません。

鬼瓦やその他の飾り瓦は、たいへん高価なものですから、素敵だからと言ってこんな祠をつくってもらえば、目が飛び出てしまうお値段になるでしょう。
もしかしたら、もうつくる方もいらっしゃらないかと思いました。



8 件のコメント:

  1.  猿田彦を祀る道祖神でしょうか、
    昔から村に入る疫病を防ぐ「塞の神」も近くにあります。
    最近「鯖大師」と書いた祠を、どんな意味かなー

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  2. 昭ちゃん
    私もよくは知りませんが、道祖神は道路わきに祀る神さまではないですか?土地の神さまはなんという神様か知りませんが、よく敷地内に石の祠を置いてあるのと同じ、その土地の神さまではないかと思います。
    馬頭観音、二十三夜供養塔、水神さま、子安観音などなど、残っている石塔をみるだけでも、昔の共同体の強固さとか、子孫を残さねばと言う強い想いとか、自然への感謝とか、いろいろなことを感じます。
    明治に東北を旅したイザベラ・バードが「どの家にも恵比寿大黒を祀ってある」と書き残しているのも、おもしろいところです。

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  3. 瓦祠は珍しいですね。奈良は江戸時代から瓦作りが盛んで瓦質祠が民間宗教の供えとしてよく見られたようです。「くさ神さん」と呼ばれ皮膚病にかかると拝みに来るという神様のようです。息子が、愛知県の佐久島にある100年程前の祠の修復作業をし「みかん組」さんとの共同作業も行いました、昨年は昔の祠の資材なるべく残してのリノベーションをしてました。祠も地方によりそれぞれの意味を持つ形、素材、信仰があり興味深いです。

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  4. hattoさん
    おもしろいですよね、祠は。ところで、くさらなきゃいい、割れなきゃいいの石の祠や鳥居はあんまり好きになれません。聖なる自然石には奥深いものがあると思いますが、やっぱり「腐る・割れる→みんなで修理を考える」、の方が興味があります。もっとも木は消えて、残ってゆくのが石ですが。
    八郷は多いですよ。ときどき、「こんなところに!」と発見します。

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  5. そうですね造られるものはみな「土に還ること」が前提です。建築は特に。今の日本の景観の悪いこと...。これからの建築はこれまでのようにどんどん建てるのではなく、今あるものをどう変えていくかそして街並み景観を重視し建築資材にも規制を加えてほしいと思ったりします。

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  6. hattoさん
    もしかしたら、だんなさまは建築家ですか?
    日本の家も街並みもひどいのは、業界のせいもありますが、一人ひとりが空間に関して、なにも考えていないからだと思いますよ。例えば、おとぎの国の家のような赤いとんがり屋根が欲しかったとなるとそれがどこに建つか考えなくてもつくって、思考はそれまで。室内も空間はどっちでもいい、お化粧のようなインテリアだけにしか関心が行かない、そういう考えが町全体を汚くしていると思います。
    もっともただ灰色の汚い町に住んでいるのだから、梅図かずおの家に文句をつける資格はないと思いますが(笑)。

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  7. あはは、梅図さんのお家!たしかに、個人個人が思いのまま建てている。両親の実家には藁ぶき屋根の家が残る廃村になりかかっているような場所ですがそこにもやはり文化住宅が並び始めました。新しく入ってくる世代にはそういう住宅が好まれるとか。哀しくも周りの山々には到底溶け込める物体ではありません。主は、芸大でSDを専攻して建畠嘉門先生などにお世話になりました。後、都市計画の仕事をしていましたが、現在は高校生にデザインを教えていますよ。息子も理系での建築学生やってます。また色々発信して教えてくださいね。

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  8. hattoさん
    やっぱりそうでしたか♪
    このあたりにも新住民が丘の上に醜い無国籍風とんがり屋根の、2×4の家を建てています。すごい異質で変。でも本人は目立っていいと思っているのかもしれません。

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