2014年1月28日火曜日

わら細工の亀

先週末、夫が所用で仙台に行くのに、ついて行ってきました。

留守番できない犬がいるので、昨年のうちから犬も泊れるホテルを予約しておいて、車で行きました。

 
途中、那須湯本にある、以前からちょっと気になっていた「みちのく民芸店」を訪ねてみました。


那須湯本は温泉の町、硫黄のにおいがほのかに漂っています。
しかし、日本の古くからの温泉町は、さびれているところが多いようで、通りにはほとんど人影はありません。湯治のほかに、慰安旅行(死語!)や社員旅行など、誰もがどっと温泉地に繰り出したのは、いつ頃までだったのでしょう。
今は、社員旅行でさえ、海外に向かう時代です。

古民家を移築したというみちのく民芸店は、開店から今年で55年目だそうです。
全館がステップフロアになっている広い店内には、所狭しと日本全国の郷土玩具、籠、民具、古いお皿などが並んでいました。郷土玩具の中には、前から気になっていたものもあれば、すでに廃絶してしまった貴重なものもありました。
ところが私には、一度にたくさん見ると何も欲しくなくなってしまうくせがあります。じっくり時間をかけて見せていただきましたが、買ったのはわら細工一つだけでした。


わら細工の亀は、この冬つくったばかりのもので、まだ青々としていました。年月が経つと、わらは茶色くなります。


実は、鶴亀セットで売っていたものでしたが、鶴はあまり気に入らず、亀だけいただいてきました。


たてよこに組んだわらを膨らませて甲羅にし、その先を縛って手足にしてあります。
わりと簡単につくれそうだけど、実際つくってみると、縄さえ、綯うことができないかもしれません。


お昼前でしたが、みちのく民芸店の喫茶コーナーですいとんをいただきました。 すいとんには小麦粉だけではなく、もち米の粉も入っていたのでしょうか。もっちりと美味だったこと、歯ごたえのいいきのこもたっぷり入っていました。
つけ合せの山芋こんにゃく、小指に先ほどの小さな茄子の辛子づけなども、繊細な味で美味でした。


4 件のコメント:

  1. これは、うちにもあります。宮崎の民芸品かと思っていました。作り手で出来上がりが違いますが、うちのは上手です。絵本作家の川端誠さんが気に入ったので差し上げたら、絵本に描いてくださいました(~o~)

    返信削除
  2. mmerianさん
    わら細工はお米をつくるところには、よくあります。土人形のように、あちこち伝播したのでしょうね。
    確かにつくり手によって、全然違ったものになります。「うちのは上手」って、これの出来がいまいちということですよね?(笑)最近、できのよくないものばかり目にして(http://koharu2009.blogspot.jp/2013/09/blog-post_11.html)、私も焼きが回りました(笑)。

    返信削除
  3. 春さん
    いえいえ、お店で買った時、名人さんの最後の作品だ、というものを買ったのです。比べると出来がよかったのです。春さんのも素敵(^v^)

    返信削除
  4. mmerianさん
    ありがとうございます(笑)。でもはっきり言って確かに上手い、下手はあります。
    水引細工などのように、材料が同じものなら、出来あがりはそう違わないと思いますが、稲わらはまず余分な葉を取り除き、縄を綯うところから始めなくてはならないので、差異が出やすいはずです。稲の束をわらで結わくだけでも、人によって美しさが違います。今でも、注連縄などのために稲わらも残されていますが、何せつくり手の人口が少ないのだから、名人の確立も低いと思います。
    昔は、「わら細工ならあの人だ」という人が、きっとどの村にもいたのでしょうね。竹細工の廣島さんのように。

    返信削除