昨年、夫の講演会で話を聞いてくれたOさんが、友人たちにも聞かせたい、見せたいと、昨年暮れには建築家たちを連れて来てくれましたが、今回はOさんと同じNGOのインターン(研修生)仲間五人を連れて、遊びに来てくれました。
「話を聞くだけでなく、自分のもっとも関心があって、話し合いたいテーマを一つずつ出して」
という夫の提案で、事前に提出されていたテーマも六つありました。
スライドショーが終わり、話し合いがはじまるころ偶然立ち寄ったM夫妻も加わって、議論は大いに盛りあがり、賑やかで楽しいひとときとなりました。
夕方には、彼らの先輩でもある、NGOのOBのSくんの家と、Gさんの家を訪問しました。
「わぁ、よその国みたい」
彼らは、Sくんが自分で建てた家を見て喜びますが、どういう意味?
よその国とは、いったい何処の国でしょう?ちょっと気になります。
荒れていた裏山(他人の敷地)の下草を、十数年かけて刈り、かつての里山の姿を取り戻した雑木林を案内しながら、Sくんはいつもに増して、語り口に熱が入っています。
後で判明したことですが、Sくんは事前に彼らの提案した議論のテーマを夫からもらって、
「この観念的な奴らめ」
と、会う前から沸騰していたのでした。
里山は、人が手を入れて初めてつくれること、コナラ、クヌギなど落葉樹の落ち葉は山を豊かにすること、人はそれを見習い、落ち葉をかき集めて堆肥をつくること、そして二年前の落ち葉はセシウムの線量が高くて使えなかったことなどなど、Sくんは熱く語りました。
彼らに、いくばくかは届いたことと思います。
ちなみにSくんの父上は日本を代表する商社の商社マンだった人で、Sくんは小さい頃を外国で暮し、自身も大学では国際関係論を学び、大企業で働いた経験もあります。
次はGさんの家を訪問、自然養鶏の飼い方、飼料のこと、いろいろ説明していただいて、躯体工事以外は自分でつくった家の中も見せていただきます。
Gさんの家は今、下屋の建設にとりかかっていました。完成したら、卵の仕分けなどはこの下屋の下でするそうです。
左手にちらっと見える道も、何度も土を運んで手づくりした道で、これで奥にある林道につなげたのです。
そして、家に戻って、来てくれたSくんとGさんも交えて、議論はいつまでも続いたのでした。
インターンの中には、OさんやHさんのように四月からNGOのスタッフになる人、出身地の福島に戻って中学校の先生になる人、まだ学生を続ける人、みんなに、「頭だけで生きちゃだめだ」とわいわい言われても、学者になると決めている人などいました。
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