2014年3月16日日曜日

芥子人形

私は、出生地は神奈川県ですが、小さい頃は倉敷で育ったので、倉敷が故郷です。 母方の祖父は、私が小さい頃は岡山の旧市内に住んでいましたが、吉備津神社の近くで育ったので、祖父が私のために吉備津神社のこま犬を買って来てくれたりしました。
ところが、吉備津神社の芥子人形は、最近まで知りませんでした。

どうしたことかと思ったら、知らなくて当たり前でした。吉備津こま犬はずっと吉備津神社の授与品として伝えられてきましたが、それ以外の吉備津土人形は明治初頭に途絶え、最近になって、吉備津神社の近くに住む郷土玩具研究家の東隆志さんが復元されたそうです。
今戸焼きにしろ、川越張り子にしろ、芝原人形にしろ、郷土玩具を愛する方々がそれを受け継いだり、掘り起こして復刻してくださったりするのは、とても嬉しいことです。


それにしてもかわいらしい一対の、厠の神さまです。
厠だけでなく、芥子人形は納戸にも祀ったそうです。というのも、納戸は昔、赤子を産む部屋だったのです。

石川県や富山県、宮城県にも厠の神さまを祀る習慣があった(ある?)ことは知っていましたが、岡山県にもあったとは、全然知りませんでした。


芥子人形には、「便所の心得」がついていました。
「入る前に軽くセキばらいする」
これは、もし先客がいれば、いきなりずかずかと近づいて来て扉を叩かれるより、ずっと心の準備ができる、よい心得です。

「ツバをはかない」、「きれいに使用する」は、当然のこととして、「はだかにならない」はいったいなんのための心得なのでしょう?

私は、もし地震などが来たときに、とっさに出られなくて逃げられなかったということがないようにという心得であると取ったのですが、違うかもしれません。


富山、金沢、吉備、宮城などの厠の神さまたちです。


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