久しぶりに東京に行きました。
小金井で母と妹夫婦と昼食を食べ、吉祥寺のre:tailとCLOSETで『マトリョーシカの日展』を見て、沼袋のシルクラブで『いとなみの自然布展、植物の力人の知恵』を見て、上野で息子一家と夕食を食べて帰ってきました。
東京に行くのも久しぶりなら、こんなにいろいろなところに寄ったのも久しぶりでした。最近は一ヶ所の訪問で十分疲れて帰ってきます。
『いとなみの自然布展』は、カラムシのことをネットで調べたりしているうちに見つけたものでした。
これが東京?
シルクラブは、とても閑静で豪華な建物でした。
展示会は、木綿でもない、絹でもない着尺や帯の販売のようで、素敵な着物をまとえる幸せな人たちが、大広間であれこれ反物を身体に当ててみたりしていました。
展示している糸なら写真に撮ってもいいと言われて写したものです。
真ん中はシナの木の皮から採る糸、そして左はクズから採る糸です。
シナの糸も、クズの糸も写真では見たことがありましたが、実物で見たのはたぶん初めてではないかと思います。
山を荒らしていて、今では邪魔ものでしかないクズですが、『アンギンと釜神さま、秋山郷の暮しと民具』(滝沢秀一、国書刊行会、1990年)を読むと、かつての暮しにクズは、根、蔓、花など捨てるところのない、大切な植物だったことがわかります。
クズを糸にしたところです。
こちらは、幅の広い繊維はオヒョウでしょうか。
衣桁にかけてあった、見事なアイヌのアツシの前に置いてありました。
木の皮の内側の繊維を裂いて、撚りをかけて、糸になります。
どれもこれも地道な繰り返しでできる糸たち、こうやって技術を絶やさずに次世代につないでいこうとする人たちがいることは、とても素敵なことだと思います。
さて、デイサービスで、祭りのポスターをつくってくれるように依頼された母は、ポスターの飾りつけのひまわりをおりがみで折っていました。難しくて折りきれないところは妹が手伝っていました。
息子の家では、母から見るとひ孫にあたるはなちゃんが、今おりがみにはまっているらしく、色別に揃えたり、はさみで切ったりして遊んでいました。
世代を超えて楽しめるなんて、おりがみもすぐれものです。
おはようございます。
返信削除吉祥寺のギャラリーまで足を延ばしていただいてありがとうございます。ひどい雨には遭われなかったでしょうか?
それから、沼袋という地名は初耳だったので、検索してみました。シルクラブも。
そしたら、自分には縁のないような世界でした…。
自然布はサバイバルどころか、高級品だったのですね (^^;); 。失礼しました。
karatさん
返信削除内緒ですが、karatさんのが一等素敵でした。といいつつ、素通りして申し訳ありません(笑)。とくに一番上の棚の左端に置いてあった、さわやか色のが素敵でした。他には、きむらさちえさんのも好きです。きむらさんはkaratさんとは作風がまったく違いますが、あのとぼけ加減に笑ってしまいます。マトリョーシカ展、とっても楽しみました。
ロシアのマトリョーシカの方は、わりとありそうなものばかりでしたね。日本人好みのもの(?)ばかり置かないで、こんな時しか見られないような、ばかでかいもの、奇抜なもの、うっとりするくらい手の込んだものなどを見たかったです。欲張りですが。
そうですね。絹、木綿以外の材料で布をつくる人にもジレンマがあると思います。苦労し具合からすると安くは売れない。高くすると、一部のお金持ちしか着られなくなる。それは鼻持ちならない。しかし、たくさんできるものではないので高く売らなくては、生計が立てられない。次もつくれない。そこを割り切って、次世代に技術を残すためにつくり続けるかどうかを決断するということでしょうね。もしかしたら伝統工芸全体に携わる人の悩みかもしれません。全然悩んでいない人もいると思いますが(笑)。
私にも縁のない世界です。布も素敵でしたが、糸だけ見てきました。実は即売会じゃなくて、古い布の展示会だと早とちりして行ったのです(笑)。でも、アイヌのアツシ、写真には撮れませんでしたが、古いものか新しいものかわかりませんが(手を通していない新品)、とっても素敵でしたよ。
基本は、売るためではなく、自分のため家族のためにつくることだと思いますから、サバイバルで、草の布をみんながつくらなくてはならない状況になるって、もしかしたらとっても素敵なことかもしれません。
ありがとうございます。(^^)。
返信削除私もきむらさちよさんの思い切ったラインとアイデアには惹かれています。
確かに展示されたロシアのマトリョーシカは大体最近見た感じのもので、もっと博物館級のものを見たかったですが、まあ協力企業がマトリョーシカの輸入販売をしてるところですから、そちらで取り扱われているのが並んだのでしょう(私もかつてそこから買ったことありまして…)。
自然布は、よくその手間を考慮すれば高級品だということは想像ついたですよね…。でもあの、秋山郷のアンギンの袖なしの絵が印象に残ってしまって…(^^;)。
沖縄の芭蕉布も昔から貴重品で、今はとんでもなく高価なものらしいですね。
アイヌの模様も好きで、一度北海道マトを作ってあの着物を着せようとしたことがありますが難しかったです…。
やっぱり素直にロシアっぽいプラトークが一番描きやすいです。
karatさん
返信削除きむらさんは、「さちえ」さんではなくて、「さちよ」さんでしたね。調べもしないで書いてしまいましたm(_ _;)m。
芭蕉布も、正装ではないので、しかるべき席には着ていけない、言わば普段着ですが、べらぼうな値段がついています。雑誌などで誰かが着ているのを見ると、一万円札を綴じ合わせた着物を着ているように感じてしまうのは、寂しいことですよね。もっともそんなふうに考えるのは私だけか(笑)。芭蕉布継承の中心になっている平良敏子さんが、確か「自分の着物をつくりましょう」と勧めて、芭蕉布にかかわるおばあたちに自作の着物をつくらせて、それを着て並んだ写真を見たことがあります。とっても素敵でした。
水俣で籠をつくっている人が都会人向けには断って、近所のおばあちゃんたちだけを相手に籠をつくったり修理したりしているのもうなずけます。
だから夫や父や息子がつくってくれたアンギンの袖なしって、本当に嬉しいものだったでしょうね。家族の衣類を男がつくるってあんまり聞いたことがないので、聞いただけでわくわくしてしまいます。
私もマトリョーシカにはプラトークが一番素敵だと思います。あっ、そう言えば女性で髪を見せているのって見ないですね。動物では、何と言っても猫マトリョーシカが好きです。