2014年7月13日日曜日

アディンクラ


ガーナのアシャンティの、民族衣装のアディンクラという布です。
かつては、位の高い男性や祈祷師だけが、お葬式やその他の儀礼のとき身につけたものだそうです。

認識が間違っているかもしれませんが、アディンクラは、アシャンティの正装であるケンテには手の届かない人が、正装として用いていたという印象がありました。

私の持っているアディンクラは、1960年代後半に、ガーナ中部の都市クマシに住んでいたとき、クマシ郊外のアディンクラをつくっている村を訪ねて、つくってもらったものです。
生地は白のほか、赤、緑、青、黄色などあって、好きな色を選ぶことができました。

   
布は、手織りではなく、工場で織った木綿の布です。
それを35センチほどの幅に細長く切り、スタンプを押した後、カラフルな刺しゅう糸で、七枚つなぎ合わせています。
広幅の布をわざわざ細く切っているのは、地機で手で織った幅の細い布を使用していたころの名残なのでしょう。
アディンクラの中には、比較的古いもので、広幅のまま模様で升目をつくっている布もありますから、それを経て、刺繍でつないでカラフルにするという道をたどったのかもしれません。

つなぎ合わせた布は、幅は250センチ、長さは350センチもあり、大きいのでかなりの重さです。 


アディンクラを着用した写真は、ネットで見つけて拝借しました。
ただし、このアディンクラは模様が一種類しかないことから、スタンプを押したものではなく、色の部分をケンテ模様にしたプリント地のようです。
いつごろから、プリント地がつくられるようになったのか、今はいろいろなデザインのプリント地が出回っているようです。


アディンクラの模様には一つ一つ意味があります。

染料は、木の根などを煮詰めたものです。
長時間煮てタール状にし、カラバッシュ(瓢箪)を彫ってつくったスタンプを使って、ぺたぺたと押して模様をつくります。
線のところは、櫛状のもので描きます。


その昔、壁が大きい集合住宅の部屋で暮していたときには壁に掛けていました。
しかし、そんなに壁が大きい家は、そうあるものではありません。
やむなく、アディンクラは、しまったままになっています。
 



2 件のコメント:

  1. karat2014年7月13日 10:23

    おはようございます。
    春さんはいろいろなところに住んでいらしたのですね…。私はガーナの位置を地図で確認するところから始めました…。
     知らないことが沢山ですが、「アディンクラ」の模様が素敵です。初めて見ました。
     一番上の写真のハート模様の下の模様はヤモリ…じゃないですよね (^^;)。
     それにしてもサイズが、さすがアフリカ。
    アジアの布は多少大小があっても、納得いくサイズですが、アフリカのはスケールが違うと思いました。

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  2. karatさん
    ガーナは、初めての外国だったので、懐かしいです。模様のことはいろいろ聞いたのですが、忘れてしまいました。時代によって違って来てもいるようですね。ウィキペディアに載っているのも、少し違います。
    ハートの下はヤモリかもしれません。あるいは大きいトカゲかもしれません。うじゃうじゃいましたから(笑)。当時、どうしてトカゲ(長さ60-80センチ)が地面や柵の上などでじっとしているのか、知りませんでしたが、彼らは日向ぼっこをしないと健康が保てないらしいです。
    最近、紫外線が怖くてみんな陽にあたりたがりませんが、骨を強くするにも、陽に当たらなくてはダメなんじゃないかと思います。
    布は大きすぎますよね。どんな服もたっぷりしていて素敵でしたが。

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