もう一ヶ月半も前のことになりますが、通りすがりに見たお地蔵さまたち、素敵な地蔵堂もつくってもらい、とてもよく手入れされているのに、まとっていらっしゃるものが古く、しかも縫ったものではなくて、ただ布を切って巻きつけただけのようなのが気になりました。
そこで、お節介かもしれないと思いつつ、赤い布を用意しました。石仏たちを見かけてすぐのことでした。
その後も、地蔵堂を通るたびに気をつけて見ましたが、お掃除している人影を見たことはありましたが、お正月を迎えるにあたって、前垂などは古いままでした。
そこで、思い切ってつくることにしました。
まあ、大小いらっしゃるから、一つつくってみて、それより大きいのをつくるか、小さいのをつくるか決めればいいと、適当に布を裁ちました。
よだれ掛けは型紙をつくり、頭巾は大小のお皿をガイドにして、丸を出しました。
そうやって、裁ちためておいたものを、夫が東京に行って留守の日に、外仕事をしないで一気に縫い上げました。
お地蔵さまたち四体分、ひととおり完成です。
弘法大使は、前垂より、マントのようなものの方がいいのではないかと思いましたが、結局お地蔵さまと同じにしてしまいました。
さて、完成してしばらくは、その前を通る機会がありませんでしたが、いつでも着せ替えできるよう、前垂などは車に積んでおきました。
ある日、とうとうその前を通りかかりました。
「あっ、ちょっと停まって」
車を降りて、古い朽ちかけた衣装を手早く脱がして、新しいのと取り替えました。古いのは、揉むとぼろぼろに崩れそうなものもあり、紙袋に入れて、脇に置いておきました。
「はい、ありがとさん」
「なに?写真を撮りに来たんじゃないの?」
と夫。
「いいの、いいの」
その日は曇天、しかも日も暮れようとしていたので、写真も撮らずに帰りました。
後日、一人で通りがかったとき、寄ってみました。
「お地蔵さまたち、これでよかったですか?」
犬供養のように、集落のみなさんで集まってやることじゃないし、お地蔵さまたちの衣装だから、通りすがりの者がやったことをゆるしてもらいましょう。
通りすがりの・・・。かさ地蔵の話を思い出しました。
返信削除新しいお召し物のお地蔵様たち、日本の良き風景を見るとほっとします。
良き年をお迎えになってください。
来年もよろしくお願いします。
Bluemoonさん
返信削除わっはっは。お地蔵さまたちは喜んだとしても、周囲の人たちは喜んでいるかどうか。みんなお針が不得手だったら喜んでいると思うけど、「?????」の気持ちもあるんじゃないでしょうか。かといって、断りを入れたりしたら、面倒なことになりそうだし、まあ、仕方ありませんでした。
でも、こんな立派なお堂があるのだから、愛されているお地蔵さまたちであることは間違いないようです。
Bluemoonさんもよいお年を。この一年、ありがとうございました。