現在、世界一のコーヒー生産国はブラジルです。
そして、ヴェトナム、コロンビア、インドネシアと続いて、エチオピアは第五位の生産国ですが、コーヒーのもともとの原産地はエチオピアでした。
現在、エチオピアのコーヒーの生産量は年間約380トン(ブラジルは約3000トン)ですが、その半量を国内で消費しています。
地球上で、一番最初にコーヒーを味わったエチオピア人は、以来、長い間飲み続け、今でも津々浦々(高地で港をもたないエチオピアですから、山々丘々ですが)の、貧しい農家でもコーヒーを欠かしません。
エチオピアには、客を迎えたときに歓迎の意を込めてとり行う、コーヒー・セレモニー(コーヒー道でのもてなし)があります。
コーヒー・セレモニーは、レモングラスなどの香りのよい草を床に散らした部屋に置かれた七輪の前に客たちが座り、女主人が洗った豆を、七輪で炒るところからはじまります。
豆がよく炒れたら、炒った豆を客に回して、客はコーヒーの香りを愛でます。次に、コーヒーを小さな臼ですりつぶし、口の細いポットに入れて水を加えて沸かし、上澄みを小さなカップに注ぎ分けて、みんなでいただきます。
そんなエチオピアのコーヒー・セレモニーで使う、コーヒー・カップ専用のお盆、コーヒー・テーブルです。
一本の木から彫り出しています。
カップは、日本の湯のみのように口が広がったものが一般的です。
コーヒー・セレモニーでは、一番煎じをみんなにふるまったあと、二番煎じ、三番煎じと勧めます。
小さ目のカップとはいえ、コーヒーを何杯もいただくと、お腹の中が、がぶがぶになってしまうこともありますが、のんびりと流れる時間の中で、親交が深まります。
エチオピアの貧しい農家では、蜂蜜を切らしたときには、コーヒーに塩を少し入れて飲みます。
それはそれで大変おいしいのですが、日本で塩入りのコーヒーを試して見る気分には、なかなかなれません。
それは、アラブスタイルの、コーヒー豆を挽くときにカルダモンも一緒に挽いたスパイスのきいたコーヒーに、日本ではなんだか食欲をそそられないのと同じなのかもしれません。
高地で育つコーヒーが、暖平地で育つ砂糖と、そしてクリームやミルクと結びついたのは、いつ頃、どこでだったのでしょう?
日本でもちょっと前までは、カップ一杯のコーヒーに砂糖2匙、3匙入れるのは当たり前でした。
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