2015年9月25日金曜日

瓦のタイル


作業棟のコンクリート柱は、三角や四角の面木(めんぎ)を使って模様をつけたり、窓やステンドグラスをはめ込む穴を開けたりと、複雑な形をしていますが、瓦のタイルをはめ込む小さな穴も開いています。

 
コの字型をした、西側のコンクリート柱の内側には、二階への階段をつくります。
その上がりはなに、瓦のタイルを両側からはめています(今は置いてあるだけ)。
夫は、できたら瓦のタイルの中に明かりを入れたいようですが、タイルは固定しなくてはならず、電球が切れたときに交換できないので、明かりは入れられないかもしれません。


瓦のタイルは五年前、母屋の北側にゴミ置き場をつくったとき、その屋根に葺く瓦を買いに行って、瓦屋さんで見つけたものでした。
ゴミ置き場の屋根は、できたら瓦屋さんに転がっている余りものの瓦を集めてつくりたいと思っていたので、瓦置き場をくまなく見ていたら、出逢ったのです。

それはどこかで頼まれてつくったものの余りでした。よく焼けなかったり、ゆがんだり、割れたりしたときの予備に、多めにつくっておいたのでしょう。


夫は一目見て気に入り、柱にはめ込もうと、四枚もとめました。
 

自立するほどの厚みがあり、


裏は単純な形をしています。

さて、今年になって夫は、
「まだ、瓦のタイルは残っているかなぁ」
と、瓦屋さんに出かけて、二枚買い足してきました。

瓦は、きまった形のものは高くありません。しかし、棟瓦や左右の端や下の端の瓦、巴瓦など、特殊な形をした瓦は「やくもの」と呼ばれて割高です。
そして、鬼瓦など手仕事でつくるものは、とてつもなく高いものもあります。
この瓦のタイルも、これだけのために型をつくったなら、高かったはずですが、それは発注した人の必要分のタイルに上乗せして、もう瓦屋さんはしっかり元は取っているはず、
「余って売れるあてもないものだから安くして」
と言うのは買い手の論理で、瓦屋さんにはもちろん瓦屋さんの論理があります。

「高いこと言われなかった?」
「先手を打って、余りものだから一枚1000円でいいだろうって、2000円出した」
「そしたらどうだって?」
「それじゃあ、材料代にもならないって、ぶつぶつ言っていたよ」
「ひやぁぁ」
夫も強気で臨んだものです。
 

さて、その買い足した瓦の一枚は、作業棟から南への降り口の踊り場と言うか、つきあたりの低い壁に埋め込まれました。
面木できれいに三角模様をつけていたところを、しかも左右対称の好きな夫が、まったく中途半端な場所に、どうして瓦のタイルをはめ込む気持ちになったのか、残りの一枚はどうするのか、私は知りません。

鉄筋が入っているコンクリートを、鉄筋を切りながら、穴が貫通しないようにがりがり彫り、そこに瓦を埋め込むなんて、私なら絶対やりません。





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