いまどきさんから、今戸人形のおまけで、磁器の猫をいただいてしまいました。
若い頃、骨董屋さんから手に入れられたもののようでした。
「十五夜さん」という猫と暮らしているいまどきさん、もちろん猫好きなのでしょう。
十五夜さんは「トラ」などという、ありふれた名前に比べると、比べられないほど優雅な名前ですが、我が家の「トラ」も、タイやカンボジアなどの暦の「十月」の意味であり、元同僚に「トラさん」という美人がいたのでつけた名前でもあるのです。
もちろん、トラは十月に我が家に来ました。
底を見ると、古いもののようです。
どなたか、手慣れた方がつくったものだと思いますが、どんな方がつくったか、どこでつくった猫なのか、見当もつきません。
こちら、スーパームーンの次の日に届いたので、「十六夜さん」と名づけました。
昔我が家の近所に骨董屋といったらよいのかがらくた屋といったらよいのか、本業は八百屋さんなのですが、がらくたのほうが肥大して不思議で面白い店がありました。この猫もそこで見つけたものなのですが、鶯茶っぽい釉薬をかけた同じものもありました。察するにこの形の猫さんというのは昭和30年代から40年代初頭にかけてファンシーショップのような店によく並んでいたマイセン風とかの磁器のコーヒーセットとかフィギアなど国産のものの中にこうしたモデリングのものがあって、おそらく白い磁器肌にチューリップの花とか淡いピンクのバラの花なんかが転写されていたものから型どりしてどこかの窯元で置物として製作販売したものではないかと思うのですがどうでしょうか。オリジナルの磁器の人形などは、ガラス製の色とりどりの花瓶とかロココ調の木製オルゴールとか、子供の頃ショーウィンドー越しによく見かけたガラス製のたつの落とし子が山高帽をかぶって水を飲むような反復運動をする置物なんかと一緒に並んで若い女性の部屋を飾っていたんだろうな、、と想像するんですが、型どりされて作られたこの猫はおそらく片田舎の観光地の近くにあるような産直の漬物とか直径30センチくらいありそうな満月せんべいとかペナントとかが並び傍らでさしておいしくもない「親子丼」や「かつ丼」、ラムネも飲める食事処も併設され入口に狸のはく製が徳利を提げているようなところ、BGMに「♪骨まで愛して欲しいのよ♪」とか流れているバス停横のお店で売られていたんのではないかと想像を広げています。
返信削除そういう店にはラーメンもあって、でもチャーシューを自家製しないで、プレスハムを切ったのを載せたりしていそうでした。ファンタオレンジやファンタグレープもあって(現在のものではなくて)、白い靴下を漬けるとジュースの色は靴下に移り、ジュースは透明になるようなものを飲んでいたのではないしょうか。ラーメンを注文するとおみやげでも売っているビニール入りの蕨とタケノコの水煮とか山ゴボウの甘辛漬けが刺身の醤油皿に乗ってサービスで出てきたり、ほとんどの人が「ハイライト」とか「わかば」をふかしていて「ワンカップ大関」呑んでご機嫌のおじさんが笑っていてさんぷらが覗いて見えるという「新日本紀行」的な風景ではなかったでしょうか。
返信削除いまどきさん
返信削除わっはっは。あまりコメントが面白過ぎて笑ってしまいました。埃だらけの、もの悲しい場末のお土産もの屋とか、不味いチャーシュー、色水のようなジュースは、一昔前のありふれた風景でしたね。いま、みんな、何もかもおしゃれになった気がしているかもしれないけれど、基本変わっていないですよ。先日天ぷら屋で、お試しとか言う漬けものが出てきました(笑)。その店で売っています。
しかし、この猫はだっこちゃんなんかと部屋に飾るには地味すぎません?それに、若い女性なんて、自分の部屋は持っていないか、持っていてもたいしたことなかったですね。茶の間の定番は北海道のクマの木彫りと、おばあちゃんが温泉で買って来たこけしくらいですから、この猫は無理でしょう(笑)。
どの町にもあった不味いラーメン屋さんも、おそば屋さんも、お寿司屋さんも消えてしまいましたね。家族で遊園地に行ったりして、夜遅く帰って来て、今日は出前にしようと持って来てもらった天ぷらそばなんて、伸びきって、汁はまっ黒け、何のために食べるのかわからないような味でした。
この猫のルーツは、言われてみれば西洋猫の写しかもしれませんが、すっかり西洋色は消えています。かわいがりますよ(笑)。
春さん、こんばんは。
返信削除すごく素敵な猫ですね。
わたしとっても好きです。
十五夜に十六夜、名前まで素敵。
トラちゃんは「10月」の意味があったのですね!
トラちゃんも良いお名前だ!
しまとかげさん
返信削除ありがとう。十六夜さんさんだけでなく、以前の十六夜さんの保護者だったいまどきさんも喜ぶことでしょう。けっこうこの猫のことを悪く(?)言っていますが(笑)。
トラはTORAではなくてTOLAでしょうか?なんて、誰もその違いに気がつきませんし、実際は「トラぁ」なんて呼んでいるので、やっぱり「おトラさん」という、サザエさんの漫画に出てくる、こめかみに膏薬を貼って、着物の襟にてぬぐいをはさんだおばあちゃんのイメージですかね(笑)。