八郷の温泉

身体に疲れがたまってきたら、八郷の温泉に行くのが手軽です。

ジャグジーの泡で暖まったら、露天風呂でゆっくりします。露天風呂は、雨よし、晴れよし。雪ならもっといいかもしれませんが、雪はほとんど降りません。庭や塀の上では、たいていスズメどもが群れて遊んでいます。
あとはサウナで、できるだけ長く頑張ります。汗が出てきたら、源泉の水風呂につかって冷やすことを、繰り返したり、しなかったり。サウナは乾式とミストサウナと両方あって、男湯と女湯が交代したとき替わり、選べません。どちらかと言えば乾式の方が好きです。
洗い場でサウナの汗を流したら、もう一度露天風呂を楽しみ、仕上げは源泉の水に入ってミネラルを身体にいっぱい付着させたままで上がります。
１５００メートルの地下からの源泉は一年中変わらない温度、２３度くらいだったでしょうか。

「今日は温泉に行こうか」
と思い立った日、海を眺望する温泉、ミルクのような硫黄温泉、ジャグジーの充実している「湯」、プールもある「湯」などなど、最初はあれこれ思い浮かべても、たいてい八郷の温泉ですませてしまいます。

なにせ近いということがありますが、八郷温泉の食堂の生ビールが、きんきんに冷えていて最高においしいのが、魅力です。

それに、食堂の雰囲気が何とも言えないのです。
見回しても、この食堂には気取った人たちはいません。誰もが庶民、超庶民ばかりですが、この食堂で見るほど幸せそうな人たちを、他で見たことがありません。
ロースカツ、天ぷらそば、カキフライ、けっこう豪華なものを黙って食べている人たち、おしゃべりしながら食べている人たち、みんな満ち足りています。
それに比べて、東京のおしゃれなレストランは、どうして寂しく、薄っぺらに感じるのでしょう？
不思議です。