2016年2月1日月曜日

カンボジアの箱


いったい、何がぶつかったのだろう、Iさんにいただいた瓢箪のモビールのカモのしっぽが取れて、落ちていました。


接着剤の入った箱は、居間の棚に置いてあります。


そうそう、各種接着剤が、一つの箱には入りきれなくなって、二つの箱に入っていますが、今回使うのは速乾性の木工用接着剤です。


しっぽは、なんとかなおりました。
この棚に置いてある接着剤はいわば家庭用で、大工仕事の接着剤は作業室に置いてあります。


長方形の、蓋が一辺でくっついている箱は、四つ持っていると思っていたら、五つもありました。
ほとんどの箱は、外に黒い漆を塗り、中側をべんがら色に塗ってあります。
唯一、木の色を残している箱は、木の根の部分でつくられています。彼らは、木目の面白い木の根の部分をことのほか珍重しているので、色を塗ってしまいたくなかったのでしょう。
もっとも、どの箱も重いので、もしかしたら全部、木の根の部分でつくってあるのかもしれません。


長方形の箱のほとんどは、縁を真鍮の板で補強していますが、さらに真鍮を蓋に象嵌している箱もあります。


電気工具なしの手作業でつくったとしたら、なんとよくできているのでしょう!


薪ストーブの上の棚に置いてある、丸い籠で編んだ箱には、日ごろは使わない、揃いの丼が入っています。
このように、大きさも手ごろで扱いやすく、収納道具になるのが、カンボジアの木や竹の箱の嬉しいところです。


でも、なんといっても一番幸せなカンボジアの箱はこの箱かもしれません。
故郷のメコン川の石が入っているからです。


蓋の形の違うキンマ道具入れの箱金属の箱を加えると、カンボジアの箱は、もっともっと、大きさも種類も豊富です。
カンボジア人は箱好きに違いありません。

プノンペンの骨董市場をのぞくと、四角や楕円形の箱を見かけることがありました。ただ、年月が経ったからか、激動の時代をくぐったからか、ほとんどの箱は傷んでいるというより、壊れかけたり、朽ちかけていました。
箱好きの私は、骨董市場で状態がいい箱を見かけると、ついつい立ち止まって、開けて見てしまいました。

一軒の店を構えたようなりっぱな骨董屋さんに行くと、壊れかけていない箱がいろいろありましたが、そちらはお値段も張っていたので、目の保養だけでした。

カンボジアの箱は、もともとはどんな用途を持っていたのか知りませんが、使いやすくて、とても重宝しています。







2 件のコメント:

  1. まさかこの箱の中に接着剤が入っているとは誰も思わないですね!
    春さん、どれだけ箱をお持ちなんですか?!すごい数を海外から持ち帰ったんですね。
    先日息子が「ウルシって何?」と聞いてきたのでうちの漆モノを探したら、結婚する時に持たされたお盆、茶托、おしぼり置きの3種類だけでした。。。少なっ。日本では高級品って感じですが、東南アジアでもなんですか?それとも日常の中で使われるものなんですか?

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  2. hiyocoさん
    あはは、私はまるで蟻みたいでした。わりと頻繁に仕事で帰国していたのですが、両手に荷物で空港についてからが大変でした(笑)。あと、訪ねてくる人はみんなカモでした。少人数のツアーも大歓迎、いろいろ案内する代わりに、「ちょっとこれ、東京の事務所まで持って行ってくれる?」
    でも、はっきり言って「カンボジアの宝」みたいなものはありません。みんなが、「そんなのが要るの?」と苦笑するようなものばかりです。スズメ追いとか、ネズミ捕りとかもあるし。いつか、彼らが欲しいといったときにはお返ししてもいいのですが、博物館はいらないと言うと思います(笑)。
    漆は樹脂の一種ですが、熱帯では漆だけでなくいろいろな樹脂が利用されています。カシュー塗料と言うのを聞いたことがあると思いますがカシューナッツの木から採ります。ちなみにカシューナッツもマンゴーもウルシ科です。

    ときおり、ヴェトナム国境近くのメコン川に日本の援助で橋が架かったというのをテレビで見ます。あそこの渡しは、フェリーを待つ人たちに売る、茹でたヒシが名物でした。ヒシを売っていた女の子たちは仕事を失ったんだろうなぁと、寂しく見ています。カンボジアもどんどん変わっています。

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