2016年8月17日水曜日

乙女の宝箱


小さな木の箱です。
蓋の上部だけ、寄木細工になっています。


箱根細工に比べると単純な寄木ですが、 それでも濃淡がついて、奥行きのあるものになっています。

蓋のあるものにはときめきがあります。
開けるときのどきどき感。いつもの箱に、いつものものが入っているのも嬉しいけれど、何を入れたかすっかり忘れたころに、忘れていたものがひょっこり出てくるのも、思いがけず嬉しいものです。


花模様は、写し絵の技法でつけたのでしょうか?
蓋の上部を見ると、切れ目はありませんが、


側部を見ると、ぐるっと回してきて貼り合わせた境目がわかります。バラの左です。


女の子たちの愛でた箱といえば、私が小さいころ、もっとも一般的なのはこんな箱でした。誰もが持っていたような気がします。
箱に入れているものといえば、友だちがもったいをつけてくれた香りのついたはな紙を畳んだもの、バッチ、写し絵のかけらなどなど、あまり使い道のないものばかりでした。


木の箱を装飾するなら、彫るという手もあります。


そして、色を塗るという手も。
木の箱、紙の箱、千代紙を貼った箱、布を貼った箱、籠の蓋もの、陶箱、ブリキの箱。どれもどれも心惹かれてしまいます。






5 件のコメント:

  1. 寄木細工の上にさらに絵を描くのはちょっと面白いですね。私の時代はこのような木箱は見なかったかも。
    ほんと春さんは入れ物が好きだなぁ~なんて思いながら最初読んでいましたが、ふと自分が子供の時の、妹とお揃いのベルサイユちっくな宝箱を思い出しました。おもちゃのネックレスとか入れていたなぁ。次に、貝などを入れていた白いお菓子の箱を思い出しました。何の模様もないツルツルの細長い箱だったなぁ。子供の時の宝箱は記憶の箱でもあるんですね~。

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  2. hiyocoさん
    そうでしょう、そうでしょう。宝箱は記憶の箱なのです。誰でも持っていたと思う。
    私も着せ替えキューピー一式を入れていたのは、お菓子の箱でした。同級生でキューピーに服をつくって遊ぶ友人は一人しかいなくて。その子と遊ぶときは、箱ごと持って遊びに行って、見せ合ったり、一緒に縫物したり、学校ではほとんど口をきかないのにね(笑)。でもその子が途中で転校して行って、キューピーは仕舞ったきり、中学高校と関心がなくて、大学生になってから祖母の家をさがしたら、とっくになくなっていました。そんなこんなで、箱が捨てられなくなったのかなぁ(笑)。

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  3. 懐かしいですねえ。女の子の描いてある箱の絵。遊ぶ用の羽子板(立派なのは飾る用の羽子板で…)にこれとそっくりな絵が描いてあったと思い出しました。昔は羽根突きで立派に(!)遊んでいましたね(^^;)。
    宝箱というのも懐かしい響きで、そういえば子供の時「箱根の」お土産ということで、小さな箱をもらいました。それは二段になっていて下には引き出しが付いていて、引き出しを引くと、上の覆いがオルゴールを鳴らしながらシャッターのようにジャラジャラと開く仕掛けで、貝とかきれいなビーズが入っていたかなあ…。もうないですが、とっておけばよかった…。

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  4. 追伸:箱はもちろん木製で、引き出しの奥で、シャッターのような木製の蛇腹とつながっていたのでしょうが、子供が何度も引いたり押したりしても壊れなかったので、作りはしっかりしていたのだろうと思います。

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  5. karatさん
    karatさんのコメントで思い出しました。そういえばオルゴール付きの箱が昔はやたらにありましたね。お土産とかお祝いにももらったし。hiyocoさんではないけれど、重なり合った記憶のかさぶたの下の方からそんな記憶が出てきました(笑)。
    でも、中にビロードの張ってあるような箱は、宝石も持っていないのに宝石箱っぽくて、もってはいても、ちょっと別格、やっぱり馴染みは脚の太い女の子が描かれた桐の箱でした。脚が太いと言えば、「きいちの塗り絵」もそうでしたが、絵の女の子たちはやたら太い脚でしたね。
    オルゴールの曲は圧倒的に「エリーゼのために」だったような。記憶のかさぶたが、どんどんはがされています(笑)。

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