2016年9月12日月曜日

「彩」の招き猫


先日、私の古いブログ記事を見た方から、この招き猫はどこで手に入るかという質問をいただきました。
その方は、いただきものでこれと同じ招き猫を持っているのですが、それを見た人から、どこで手に入れたのかと、訊かれたのだそうです。
古いことで、私はどこで手に入れたか、まったく覚えてはいませんでした。

ただ、同じ工房でつくられたと思われる招き猫を三つ持っています。


一つは小さなものです。
名古屋の地下鉄の駅から新幹線乗り場へと急いでいたときに、地下商店の店先で見つけました。変哲のないものですが、顔が前垂れに埋もれているところ、前垂れに金具のついているところなど、なかなかユニークな猫です。


もう一つは、大きな千両箱を背負った招き猫です。


これも、どこで手に入れたか記憶にありません。
ただ、場所を取るし、欲張り猫なので、見つけてすぐには買わず、何度か見たのちに買ったような気がするので、東京のどこかだったのでしょう。


これら、別々に手に入れた三つには、共通点があります。底に「彩」と印を押した紙が貼ってあるのです。
ネットで、「招き猫、彩」で検索すると、薬師窯が出てきます。ところが、それを画像で検索するとこれに類似している招き猫は見当たらないのです。

というわけで、薬師窯でつくったのか、そうでないのか。昔はつくっていたけれど、今はつくっていないのか、まったくわかりません。


これらが薬師窯の招き猫たちです。
薬師窯は瀬戸の陶磁工房である中外陶園の窯名で、招き猫制作の最大手工房の一つです。
招き猫を収集された、板東寛司、荒川千尋夫妻が、その日本最大のコレクションを中外陶園に託され、中外陶園がそれをもとに「招き猫ミュージアム」をつくられたことからも、中外陶園の規模や姿がわかろうというものです。


薬師窯の招き猫は多種多様です。
目を線描きした招き猫が多いのですが、目がぱっちりした猫もつくっています。
そして、時代による「かわいい」の変化に呼応してか、身体に対して顔が大きかったり小さかったり、デフォルメが強かったり、リアルなものになったりしています。

薬師窯の招き猫以外にも、目が細い猫はたくさんいます。


しかし、よく見ると、目の感じが違います。


ところが、中には目の感じがわりとよく似ているものもありますが、これは有田でつくられたものです。


「彩」の鯛持ちの招き猫には、模倣招き猫があります。
この模倣鯛持ち招き猫に、プノンペンの裏通りで出遭ったときには、びっくりしたものでした。

「彩」の招き猫に、もっといろいろな種類があったかどうか、今となっては不明です。
当時と違って、巷に招き猫の溢れている今、私も招き猫に目を向けてないのでわかりませんが、「彩」の猫たち、気に入っています。
もっとも、中外陶園にたずねれば、すぐにわかることだとは思いますが。








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