北欧、おもにスウェーデンの刺繍、織りもの、編みものなどの本を売っているお店で見つけた、籠編みの本です。
籠の本はなんでも興味津々、手芸同様、素人向けに解説した本なら面白そうと買ってみて気づいたのは、白樺の樹皮を使ったものと、柳の籠、しかも柳の籠は巻き編みの籠だけしか載っていないということでした。
もちろん、スウェーデンには、他の編み方の籠も、いろいろあります。
昨年の夏、デンマークの博物館で面白かったのは、農家で自分が使うためにつくった籠は、ほとんどが麦わらなどを使った巻き編みの籠だったということでした。
そのことに照らし合わせると、スウェーデンでも、巻き編みの籠がもっとも一般的なので、その延長として、趣味の籠編みとしては、巻き編みだけが頭に浮かんだのかもしれません。あるいは、この著者が巻き編みが、得意なのかもしれません。スウェーデン語が全くわからないので、推察するだけですが。
読めないとはいえ、写真がいっぱいで、とても楽しめます。
白樺の皮の表面をやすりでこすったり、薄く剥いだりしているところ。
均等に切る道具を使ったり、はさみでも切ったりしてリボンをつくり、薄く剝いで使います。
編む工程も詳しく説明されています。
籠の本ですが、白樺の箱のつくり方も載っています。
あの、互い違いに組んだような接合部分は、端を複雑な形に切ってはめ込み、引っ張っても抜けないようにできていたのです。
木が材料では、いくら薄くしてもこうはいきませんが、しなる白樺ならではの始末のつけ方です。
柳の、巻き編みの籠は、ひごのつくり方から、丁寧に解説してあります。
柳の枝は、ひこばえだと言っても、芽もあれば曲がってもいるだろうと想像していましたが、芽を取ったり、割ったり、
そしてつぶしたりと、とても丁寧な下準備をしているのがわかります。
巻き編みの道具ですが、材料つくりに力を入れているのが、道具を見てもわかります。
編み方の説明も丁寧です。
きっちり目を詰めて編む編み方や、
透かし編み、装飾的な編み方など、様々な編み方が載っています。
こんな写真を見ると、確かに柳は可塑性に富んだ材料の一つであることを、 実感してしまいます。
その土地にある材料を活かす生活が、かつては地球上のどこでも見られたに違いありません。
我が家にある、スウェーデンの白樺の籠や箱、巻き編みの籠です。
奥の箱は、もしかしたらフィンランドのものだったかもしれません。
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