2017年1月22日日曜日

伏見人形


先日UPした、正体不明の招き猫に、NANAさんから、ブログにはスマホからコメントすることができない(のらさん、topcatさんなど、そんなケースがあり過ぎ!)けれど、これは伏見人形ではないかと、facebookでコメントをいただきました。
「そんなぁ、うそでしょう、伏見人形だなんて」
と、はなから疑っている私に、さらにNANAさんは写真を送ってくれました。


「うぅぅぅぅ」
なんと、そっくりでした。
近頃、資料に当たるということを怠っています。何より、腕の模様がぼかし(伏見人形には、ぼかしもあった!)だったことから、郷土玩具だなんて、思ってもみませんでした。
遅ればせながら、『郷土玩具 招き猫尽くし』(荒川千尋著、日本招猫倶楽部、1999年)を見たら、NANAさんが送ってくれた写真と同じ猫がいました。 それもそのはず、NANAさんが送ってくれたのは、『招き猫博覧会』の中の写真、同じ荒川さん・板東さんのご本でした。

『郷土玩具 招き猫尽くし』より

伏見人形の窯元「菱平」の五代目、上田昌子さん作の、子福猫です。
伏見には、今も「丹嘉」と、「菱平」という、二つの窯元があったのです。

伏見人形と言えば、窯元「丹嘉」の、大西重太郎さんの猫ばかり思い浮かべていました。

 
こんな猫です。ぼかしも多用しています。
「土製の前垂れが飛び出している招き猫なんて見たことない」とも書きましたが、NANAさんのご指摘どおり、丹嘉の招き猫の土の前垂れは、前に勢いよく飛び出しています。
 
『郷土玩具 招き猫尽くし』より

そして、複雑な型につくるのも、伏見人形の伝統でした。

『郷土玩具 招き猫尽くし』より

『郷土玩具 招き猫尽くし』には、伏見人形の古作も載っていました。
かつて隅から隅までながめたはずなのに、すっかり忘れていた勉強不足の私です。この招き猫に出逢っても、おそらく伏見人形とは気がつかなかったでしょう。

『郷土玩具 招き猫尽くし』より

この、かわいらしい猫も伏見の古作です。
いいなぁ、こんな雰囲気の招き猫、大好きです。

『郷土玩具 招き猫尽くし』より

そして、まるで瀬戸の猫のような、これも伏見の古作だそうです。
「うぅぅぅぅ」
どれも、郷土玩具とは思えない!うなるしかありません。

伏見=丹嘉という認識を持っていた私、調べることを怠っていた私、とっても勉強させていただきました。
NANAさん、ありがとう。







2 件のコメント:

  1. どういたしまして。

    招き猫収集駆け出しの頃、よく参考にしたブログで名前を取り上げていただけるなんて、不思議な感覚です。

    コメントなんとか出来ました。NANA

    返信削除
  2. NANAさん
    こちらこそ。参考にしていただいたなんてありがとう。まぁ、私は何でも一筋と言うわけにいかなくて(笑)、人に「何が基準で集めているんですか?」なんて聞かれると困ったりしますが、基本、名もない人の手仕事とおもちゃ+信仰ってところでしょうか。ものの後ろに見えるものが面白いです。
    招き猫は、巷にあふれるようになったこと、3.11でたくさん失われたことで、ひところのような熱は失せていますが、NANAさんのような馬力のある収集家に出会うと、ちょっと刺激されます(笑)。

    返信削除