2017年7月24日月曜日

やったぁ!

Iさんから、
「Nさんが、かんなを研ぎに行きましょうか?と言っています」
という連絡をもらいました。Nさんは、素敵な大工さんです。
「ひゃっほぅ!」
かんなを研ぐのは、いつまで経っても苦手なうえ、基本原理さえよくわかっていません。もう、大歓迎でした。

「かんなだけでなく、ノミもお願いできるかしら?」
と、ずうずうしいお願いもしました。しかも、ノミの太い方の一本は、刃が二か所もこぼれています。
「いいですよ」


まず、ダイヤモンド砥石で、ノミを刃のこぼれがなくなるところまで磨きます。
普通の砥石と違って、ダイヤモンド砥石の長所は、砥石自体がすり減らないので、いつまでも水平に削れることです。

刃物を研ぐときは立って、台の上で研ぐのが一般的ですが、Nさんの師匠は、こうやって研いでいたそうです。そのため、修行中のNさんが高いところで研ぐわけにはいかなかったらしいのです。


細い方のノミは、刃裏が平らではなかったようでした。
板切れでノミを押さえながら、刃裏を平らにします。


安物のノミのせいか、なかなか平らにならなくて、こんなに削って、やっと刃裏が平らになりました。
 

我が家にある砥石、「中砥」と「仕上げ砥」は、どちらも真ん中がすり減っていました。
ノミは刃が細いので、研ぐと砥石がでこぼこになりやすいのですが、砥石を平らにしておかないと、ノミも平らになりません。
コンクリートブロックに、砂を掛けながら、砥石を削って平らにします。


なかなか平らにならないので、グラインダーでコンクリートブロックに溝を切って、砥石を削りやすくします。
 

申し訳ないことに、刃物を研ぐのと同じくらいか、それ以上の時間を、砥石を平らにするのに使わせてしまいました。
 

ノミが仕上がったらかんなです。
かんな用の仕上げ砥の方は、ほとんど使ってなかったので、ほぼ平らでした。


刃は、黒い砥クソがしっかり、線になって出るよう研ぎます。砥クソがぼやけているときは、刃先ではないところを研いでいるのだそうです。
なるほど、なるほど。


わぁぉ。この辺りで、嬉しさに顔が緩んできます。


素敵に研げました!
 

刃は研げましたが、かんなは台も歪んでいました。
平らな台(この場合は、万能木工機)に、テープ状の、サンドペーパーを貼って、まず台を全体に削って平らにします。


さらに、かんなの台尻と刃の前後を残して、紙一枚分くらい、ほかを低くします。


そして、使ってみます。
 

微調整。


向こうが透けて見えるようなかんな屑が!
Iさん、Nさん、本当にありがとう。
やり方がよく分かったのだから、忘れないうちに復習しなくてはなりません。











6 件のコメント:

  1. 「仕事なんて10年早い、刃物研いでろ!」と、
    2週間ぐらいずっと朝から晩まで鉋研ぎをしていました。

    船大工の親方が厳しくて、研いだ刃物を見せに行くと、「駄目だ!」と何度も何度も不合格。

    「よし!」と合格を貰って、その時、親方が自分の道具小屋に並ぶ鉋の中の、高級な仕上げ鉋を「ほらよ。やるよ。」と僕に手渡してくれたときは嬉しかったなあ。

    あれから25年経ちます。

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  2. わー凄いなー
    若い人も職人芸尊敬です。
    現役時代タガネの焼き入れで苦労しましたので
    写真だけで解ります。

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  3. NANAOさん
    「付け焼刃」という言葉がありますが、私のように見様見真似の偽大工ではどうしても踏み入れられない世界を、じっくり味合わせていただきました。といっても見ていただけですが。
    ステップを上って、別の世界が見えてくるって、快感ですよね。上りたいなぁ。
    Nさんも、NANAOさんのようにイケメンの、しかもイケメンなのに感じいい(笑)、大工さんです。

    刃物が美しいと浮き浮きしますが、では今日、残りのノミを15本全部研ぐかと問われると、「研げない」と答えます(笑)。
    まず草刈りしてから、せめて一本ぐらい研ぐかどうか、考えます。

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  4. 昭ちゃん
    そうなんです。田舎で暮らして気がつくことは、本当に素敵な人がいっぱいいるということです。一つのことができる人はほかのこともできますしね。

    次男が新しく働きはじめた東京の会社で、机を二つ動かすことになったら、「業者を呼ぼう」と言われて、のけぞったそうです。「おまえ、そっち持て」といって、数分で終わったそうですが(笑)。
    田舎では、そんな人はいないし、生きていけませんね(^^♪

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  5. 春さんの目は完全にハートになっていたでしょうね(笑)。やることなすことカッコよすぎます!道具を使いこなす人はそのメンテナンス道具も作り出すんですね。

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  6. hiyocoさん
    ほんと、目はハートでした。中に星が100個くらい瞬いていたかもしれません(笑)。
    苦労しながら身に着けた技、いったん身に着いたら身体が動いてしまう技というのは、すごいですね。
    今回、かなりの時間がかかりましたが、それって、普段の手入れを怠っていたということにほかなりません。申し訳なかったですが、勉強になりました(汗)。
    さぁ、がんばろうっと(^^♪

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