キューピーマヨネーズのビンです。
ラベルが破れているのが残念だけれど、しもぶくれの姿がいいし、蓋が素敵です。
1924年に、食品工業が「キューピーマヨネーズ」と名づけて、日本初のマヨネーズを発売しました。ビンは100グラム入り、発売当時のビンです。
ビン入りマヨネーズの値段は50銭(今の値段に換算すると約1700円)、三越百貨店などで売られる、高級品でした。
不思議に思うのは、戦前のものと思われるのに、横書きの「キューピーマヨネーズ」が左から書かれていることです。
ネット検索して見るこの形のビンの蓋は、どれも左から書かれているようです。右から書くのが当たり前だった当時、おしゃれでハイカラなものであることを、ローマ字書きと形式を揃えて、わざと左から書いたのでしょうか?
ビンの底には、「東京中野・食品工業株式會社」と陽刻がありますが、こちらは右から左へと書かれています。
卵、油、酢を材料にしているマヨネーズは、戦争が激しくなってからは材料の調達が難しくなり、1943年に製造を中止し、敗戦後の1948年から製造を再開しています。
戦前は、生野菜を食べるという習慣がなかったので、サケやカニの缶詰とともに食されていましたが、戦後はおもに野菜に合うようにと、味を変えてきたそうです。
食品工業株式會社は、1957年に社名を「キューピー」と変えます。
右のマヨネーズビンは、戦後ではあるけれど、社名がキューピーに変わる以前のものです。材料がまだ不足していたのか、戦後のビンは70グラム入りです。
そっくりですが、ビンに合わせたのか、新しいビンのラベルの横幅が短くなっています。
縦幅はほぼ同じですが、新しいキューピーのマークが少し小さいのがわかります。新しいキューピーの足は地色が赤い部分に、ちょっとひっかかったくらいです。
古いビンには、「C2」とラベルに穴があけられています。
新しいのは、「3601」です。何のサインだったのでしょうか?
数年前、キューピーマヨネーズは、「消費者の要望に応えて」、蓋をスクリューキャップからツイストキャップに変更しました。
毎年、お正月に販売されるイラスト入りのビンマヨネーズを楽しみにしていた私は、蓋が変わってすっかり関心を失ってしまいました。
春姐さん昭和17年7月に横書きは左から、
返信削除仮名使いは発音通りになりました。
だから正解です。
「てふ・蝶」が「ちょう」で教科書や駅名が大変でした。
ちなみに化粧品「パピリオ」は昔から左書です。
昭ちゃん
返信削除ありがとうございます。そうでしたか、パピリオも左から。やはり「垢ぬけた洋風」を強調したかったんですね。
今はどうか知りませんが、十歳から十五歳くらい若い人たちの中には、何にでもマヨネーズをかけたがる人がけっこうな数でいました。何から何まで、マヨネーズさえあれば食べられるような。その世代が、「お好み焼きにマヨネーズ」を定着させたのではないか、その前はお好み焼きにマヨネーズはなかった気がしますが、どうだったのでしょう?
最近は、カロリーが高いとか、ドレッシングに比べておしゃれじゃないという理由でマヨネーズは全然喜ばれていませんね。
そういえば小さいころ、叔母の家に行くと、缶詰のホワイトアスパラガスにマヨネーズを添えて出されました。貧乏な家では見たこともない、お金持ちの御馳走でした(笑)。
姐さん
返信削除母は黒田家で娘時代に働いたので(大正中期)
チーズやマヨネーズを知っていました。
昭ちゃん
返信削除マヨネーズは小学生のころ叔母の家で知ったけれど、チーズはどうだったかしら?コカ・コーラは中学生になってからかな?
世界は一気に変わりましたね。