2017年9月20日水曜日

地面活用自由自在

デジタルカメラ以前の、紙焼きの写真の保存状況は、めちゃくちゃです。
かつて、家族写真が主で、撮った写真を一枚一枚アルバムに整理していたころの写真は、色あせても残っていますが、仕事で写真を撮るようになってから、整理の「せ」の字もできていません。

日本より、安くて早くてきれいで大きく焼いてくれるからと、タイやカンボジアでカラー写真を現像に出すようになったのは、いつごろからだったでしょうか?
写真屋さんが、ご親切にすべてをポケットアルバムに入れてくれるのですが、そのポケットアルバムのままで、箱に突っ込んであります。しかも、中の写真をその時の必要に応じて抜き取ったり、あちこちに動かしたりしていて、何度見ても、これ以上整理のしようがありません。

数日前に夫が、
「熱帯林の中を歩いている写真なんか、あるかなぁ?」
と、訊きました。
出てくるとは思えませんが、一応、箱一つ分見てみました。探している写真は、案の定出てきませんでしたが、懐かしい写真たちがいろいろあり、ついつい見入ってしまいました。

そんな、古い写真の中から、バングラデシュの、地面を面白く使っているものをまとめてみました。
雨季には雨の量が半端ではなく、ときには大洪水もおこるバングラデシュですが、アフリカの乾燥したサバンナ地域の地面活用に匹敵する面白さです。


まずは、木に水遣りをしやすく工夫した写真から。
木の根元に、土を練って盛り上げておけば、少ない量で、木に十分な水遣りができます。
もちろん、セメントなど使っていません。土だけです。


バングラデシュの農家では、屋根のない庭を、日本の三和土(たたき)のように、つるつるに保っています。
かつて、庭にむしろを広げて穀物の天日干しなどした日本でも、同じような庭が各戸にありましたが、今では失われてしまいました。


この穴は何に見えますか?
いろいろな家に掘ってあるこの穴は、三つの突起がある方に鍋を乗せ、もう一つの穴に薪を入れる、そう、つくりつけの竈(かまど)です。


お鍋を置いて、実際に使っている、別の家の竈です。


河口デルタの国バングラデシュでは、薪は十分ではなく、ジュートの芯などを燃料にしているので、焚き口はこのくらいの大きさでも、事足りるのです。


この、村の種子銀行の庭につくった穴は、どうやって使うのでしょう?
穴の中にあったお米はすべて取り出されました。


そして、少しずつ箕に入れて、箕をあおって、もみ殻を取り除いていますが、穴はまた、米で満たされています。


この穴は、精米をするため、籾のついた米を入れる穴でした。
唐臼(からうす)が備えつけてあり、女性二人で踏んでいて、足を踏板から外すと、杵があの穴の中に落ちてくるようにつくられています。


別の家では、庭に掘った穴にすっぽりと鉢を入れて使っていました。
手を洗ったりした水も粗末にせず、植物にやったりするためにためているのでしょう。


秀逸なのは、この鶏小屋です。
塀を利用して、中にスペースをつくっています。
夜はわきに立てかけてある板で穴をふさぎ、そこに左に置いてある重石をしておきます。


遠く離れているというのに、ガーナ北部の、壁の一部を膨らませてつくった鶏小屋とそっくりなのが、面白いところです。
この、ガーナ北部の家は、あちこちに工夫のある素敵な家でしたが、とくに夫は、川魚の干し台と干し方に感動していました。心に余裕がないと、こんなに楽しい干し方はできないというのです。







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