右上二つは、大工仕事に欠かせない曲尺(かねじゃく)です。
これはメートル法の目盛りしかついてないものですが、曲尺と「尺」が名前につくくらいですから、尺貫法の曲尺が原型です。
曲尺は、古代から形も大きさも変わっていないと言われる、とても古い道具です。
それに対して、下の定規はスコヤと呼ばれます。スコヤは、英語のスクエアがなまったもので、工業化と一緒に定着したものでしょうか、精度が求められる直角(これは45度も)を確認したり、木材に墨つけをするときに使います。左の道具はなんていうのでしょう?スコヤは定規がついているものですが、これは定規なしで、ただ木材に墨つけする機能だけのものです。
これが一般的スコヤです。
曲尺は平面なので、曲尺を使って直角に線を引こうとしたら、一辺をしならせて、直角を出したいものに沿わさなくてはなりませんが、スコヤは、厚みのある辺をひっかけることができるので、曲がらないでちゃんと沿わせているかどうか気を遣わないで、素早く墨つけすることができます。
この型のスコヤ(もっとも一般的なもの)は、買った覚えがないのですが、どこからか出てきて二本あります。
夫に訊いても、
「知らねぇなぁ」
というばかりですが、私は、夫が以前から持っていたものではないかとにらんでいます。というのも、大きいスコヤの方は模様入りで、いまどきこんなものを売っているとは思えないからです。
しかも、その模様たるや古色蒼然としていて、片側には竹林で咆哮する虎が描かれています。
そして、もう一方の面には、竜が描かれています。
大工道具で装飾的なものと言えば墨壷ですが、このスコヤも墨壷を彷彿とさせる意匠です。
HONMAというのがメーカー名らしいのですが、HONMAで検索しても、出てくるのはゴルフクラブをつくる会社だけです。
電動工具を使うなら、あらかじめ角度を決めて置いて同じ角度に切ることができたり、定規を当てて切ったりするので、線を引いておかなくても、一点に印をつけて置けば、直角を含めて、のぞむ角度に切ることができます。
でも、制度を高くしたいので念のために線を引いて置いたり、同じ間隔で複数の材に墨つけをしたい時など、スコヤや曲尺、三角定規などが必要になります。そして、ほぞ穴の印つけをしたい時など、小さなスコヤはなにかと便利なのです。
というわけで、持ち運びが苦にならないスコヤは、いつも持ち歩いています。
九州の炭鉱が閉山になり鉄鋼界に入りました。
返信削除20年の地下生活から地上の仕事でまるで
大工仕事なのに驚きでした。
鉄板を切ったり曲げたり
私の差し金は裏がインチでした。
昭ちゃん
返信削除インチですか。
「尺貫法を使用禁止していた日本でどうして?」と思いますけど、鉄鋼界はインチと深い関係があったのでしょうね。ねじやナットなどには、今も、インチ基準のものがあります。ごちゃごちゃに混ぜておくと、形が似ているのにミリ基準のねじにインチ基準のナットがはまらないで、いらいらするということになります。
差し金、今でもインチのついているものがあるかもしれませんね。
インチはすぐにセンチに換算できますが、それ以上はダメ、飛行機の高度をフィートで説明されると、途端に思考停止モードに入ります(笑)。
姐さん
返信削除私はノットになると船の速さがいまいちです。
昭ちゃん
返信削除はっはっは。フィートは掛け算すればわかりますがノットは、はなからわかりません(笑)。パイントというのも、わからないし...。