十二支が日本にもたらされた平安時代には、豚は馴染みがなかったということで、日本だけイノシシになってしまいました。
我が家の周りには、本物のイノシシがあふれていますが、家の中にはあまりいません。その代わりに豚たちがいるので、豚たちに年頭を飾ってもらいました。
赤い張り子の大小2匹の豚は、バンコクのスラムの中で出会った、豚を天秤棒で担いで売り歩いていた人を呼び止めて買ったものです。
そのおじさんに出会ったのがどんなに幸運なことだったか、バンコクに三年間住んで、その後も十年以上、仕事でタイには頻繁に通っていたのに、二度と張り子売りに出会うことはありませんでした。
灰色っぽいのは、メキシコの土の貯金箱です。
これ以前に、同じくらいの大きさの、やはりメキシコの貯金箱を持っていました。それは白地に、赤、緑、青、黄色、ピンクなど鮮やかで、形もよくてとても気に入っていたのですが、1990年ごろだったか、大きな地震で落ちて割れました。
その後、同じものを探し続けたのですが、とうとう見つけることができず、この豚を手に入れたのでした。
木を轆轤で挽いた無印良品の黒い豚と、赤い子どもっぽい絵つけの豚は、どちらもヴェトナム製です。
轆轤で挽いた木を合わせる作業は、手先の器用なヴェトナムと言えど、マトリョーシカで伝統のあるロシアの真似はできません。最初は開閉できましたが、今ではきつすぎて、開けることはできません。
以上、どれも貯金箱になっています。
ドイツ13世紀 |
豚の貯金箱はどこで始まったか、諸説あるようです。ドイツ最古の豚の貯金箱は13世紀につくられたもの、これが今のところ、世界最古の豚の貯金箱のようです。
東ジャワ15世紀 |
ジャワには14世紀につくられた、豚の貯金箱があります。マジャパヒト王国の時代ですが、コインは中国からのものが流通していたのでしょうか。
ドイツとジャワの豚の貯金箱は、別々に発祥したと考えられています。また、中国では17世紀、清の時代から豚の貯金箱がつくられはじめたようです。
なぜ豚か?
いずれの地域でも、豚は貴重な財産であり、勇敢で多産、一族に繁栄をもたらす、たいせつなものだったからという説があります。
また、イギリスの豚の貯金箱についての記述の中には、別の考察があります。
7世紀ごろから、土でつくった壺の貯金箱、pygg bankがありましたが、時と共に英語の発音が変化し、「陶土(pygg)」と「豚(pigge)」が同じ発音になってきて、だんだんと「陶土」の方は忘れられていったというものです。
どちらでしょうか?
ちなみに、この考えは英語の「言葉」に限られますし、イギリスで豚の貯金箱がつくられるようになったのは、19世紀になってからです。
さて、小さい豚たち、染めつけ豚はタイのものです。
タイの友人Pさんが亥年で、豚を集めていたので、ときおり豚の人形をあげることがありました。その、お返しにいただいたものです。
プラスチックの豚たちは、シャープペンシルです。鼻をノックすると、しっぽからシャープペンシルの芯が出ます。
そして、一番のちびたちはソテツの実でできています。
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