骨董市で、水屋さんが珍しく紙ものを持っていました。
箱にざっと入っている千代紙、ペラペラの洋紙に印刷した千代紙でしたがどれもなかなかいい模様で、おもちゃ研究や文様研究の方が見たら大喜びするような千代紙でした。象の絵を見ると武井武雄です。ぱらぱらと中を見ると、字札もあり、切り離して遊ぶABCのカルタのようでした。
武井武雄のカルタは、今でも「江戸いろはカルタ」など売られていますが、ABCカルタがあることは知りませんでした。
紙ものは保管に困りますが、これだけ欲しいなあと思って値段を聞いてみると、
「いくらで買ったかなぁ。箱で買ったから、まとめて売りたいんだけどなぁ」
という話でした。
「そうよね。私ももう、ものは増やさずに整理する時期なのにね」
「おれも、見ると買っちゃって、後で反省するんだよなぁ」
などと、よもやま話に入りました。
「ほかの人だったら、この千代紙、一枚一枚ビニール袋に入れて、結構な値段をつけて売るんだけど、おれは面倒で」
確かに、そうやって売ったら千代紙は高額で売れそう、きっと同業者の方が気がついて買って行くことでしょう。
結局、水屋さんが自分から値段は言えないようなので、全部勝った時の値段の半分の値段を私が言い、それからさらに負けてくれて、ABCカルタだけいただいてきました。
帯に隠れていて見えませんでしたが、猫の絵だけでも素敵です。
ばらばらしているので、欠けていても仕方がないと思っていましたが、そろっていました。
動物が主だけれど、それだけでもない、なんとも武井武雄らしいアイテムの選び方です。
アルファベット26枚ではカルタとしての数が足りなかったのか、数字も1から10までありました。
日本語ではなく英語読みです。
戦時中は英語は敵国の言葉として禁止されていましたから、戦後のものだと思いましたが、それにしてはカタカナ表記が今とは少し違っています。
犬や猫は呼び捨てですが、象や狐には「さん」が、馬には「お」がついています。
ひどいのはインデアンで、日本語で北米土人、ライオンがけものの王(わう)で、猿はお猿さん、扱いの違いに時代を感じます。
調べてみると、『武井武雄先生画 ABCカルタ』は1946年(昭和21年)に愛育社から出されたものでした。当時はまだ、かな表記が定まってなくて、使い慣れた表記で書かれたものなのでしょう。
ちなみに、帯は思った通り別のもので、このカルタには箱があったようです。そして、水屋さんには申し訳ないことに、箱つきですが、私がいただいた値段の15倍の値段で売られていました。
いいですねー。武井武雄のカルタ、しかもABCカルタなんて…。うんと高いと思います(^^)。
返信削除子供の頃さんざん遊んだ武井武雄のいろはカルタも、今探して買うと復刻版でも高いですから…。
karatさん
返信削除別に転売するつもりはないので(笑)、値段は関係ないのですが、もし誰かがネットでこのカルタを見つけて、「こんなに高いんだ!」と思われたら心外なのでちょっと触れておきました。
復刻版、どれも素敵ですよね。私も毎年のように買おうか買うまいか迷ってしまいます。でも、『瀬川康男カルタ』でも遊ばないのに、これ以上遊ばないカルタを増やしてもと思って、諦めます。
出来たら箱をつくってやりたいのですが、できるかどうか...
確か長女が入園前に取っていたキンダーブックにも
返信削除楽しい絵をのせていましたね。
昭ちゃん
返信削除そうそう、私も前にキンダーブックを取り上げました。
はっきり言って、十代のころはそう好きじゃなかったです(笑)。初山滋などの方が好きだった。でもいつからか好きになっていました。子供のころあの絵を見て育つのは、とっても贅沢ですね(^^♪
追伸
返信削除孫の代になると五味太郎で
どちらも楽しいです。
昭ちゃん
返信削除持ち味は全く違いますが、五味太郎いいですね。
岡山に五味太郎がデザインした吉備団子のパッケージがありますよ(^^♪