ホームセンターのジョイフル本田の中にあるOld Friend は、1990年代が全盛期だったような気がします。今考えると、さまざまな海外のアンティークを扱うお店がいっぱいあったあの頃は、バブル期を背景に成り立っていたに違いありません。
久しぶりにひたちなかのジョイフル本田に行ったので、Old Friendをのぞいてみましたが、ほかのホビー(手づくり用品など)の売り場が拡張しているのに比べると、この20年、縮小に縮小を重ねたOld Friendは、今ではイギリスのアンティークショップというより、ただの雑貨屋さんになっていました。
そのOld Friendの一角に、自然素材にこだわっている荒物屋の松野屋の商品が置いてあるコーナーがありました。
私は決して掃除好きとは言えませんが、掃除道具好きです。
テラスの掃除用のデッキブラシと、埃取りの刷毛を買ってきました。
デッキブラシのラベルには、日本製と書いてあり、材料は「シダ」となっていました。
「シダって何?草だよね?」
日本には伝統的にシダで編んだ籠があります。かつては銭湯の脱衣所で使われていましたが、あれはシダの茎を使ったもの、ブラシにはできそうにありません。
谷中にある松野屋さんのホームページで調べてみたら、シダはなんとパルメラヤシ(扇ヤシ)の繊維であることがわかりました。
日本で繊維を植えつけたのだから日本製という表示は納得するとして、
「シダではないだろう?」
と、もやもやしてしまいます。
なんだかパルメラヤシの繊維が哀れになってしまいました。ヤシと表示して欲しいです。
こちらも松野屋の取扱商品で、福井県でつくられている、もともとは鋳物の製造時に使う刷毛です。
ヤギの毛の平たくて幅がある刷毛はとても使いよさそう、我が家には埃を払わなくてはならない飾りものがたくさんあるので買ったもの、試してみると、やはり使い勝手は上々でした。
石川県を挟んで、富山県では鋳物が盛んですから、この刷毛は富山のたくさんの鋳物工場で重宝されているに違いありません。
私は早め早めに何でも用意してしまう癖があり、今埃を払うのに使っているレデッカーのModeLpinselという刷毛も、なくなったら困ると、予備を買って持っています。
しかし、今使っているModeLpinselはすでに10年以上使っているのに、まだまだ使えそう、びくともしていません。それに加えて、今後鋳物刷毛も使うとなると、未使用のレデッカーの刷毛は出番があるかどうか、ちょっと心配になってしまいます。
それにしても、紐とその通し穴を見ると、ドイツと日本の道具に対する姿勢の違いがわかります。
日本の刷毛は、どこかに引っかけて保管するということを、じつは考えてないのかもしれないけれど、こんな糸ではそう長持ちしないでしょう。ところが、レデッカーの紐通しの穴を見ると、こすれて紐が弱くならないように穴を削っていて、憎いばかりの心遣いです。
財布のファスナーの持ち手の皮を、ちぎってしまったり、バッグのファスナーの持ち手の金属を摩耗させて壊してしまった私にとっては、紐が切れないように気を使ってくれているレデッカーの商品は、とてもありがたいものです。
埃を払う刷毛や箒は、用途に寄っていろいろ使い分けていますが、これまでは何と言ってもレデッカーの小さな刷毛(隣の大きいブラシもレデッカー製)の使い勝手の良さがダントツでした。
しかしこれからは、鋳物刷毛も活躍してくれそうです。
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