骨董商の玩古さん(長い間会ってないなぁ)が「おやじ」と呼んでいた骨董屋さんの大きなダンボール箱の中に転がっていた、松ぼっくりの金魚です。
開いていない松ぼっくりを身体に、開いた松ぼっくりを尻尾に見立てています。ひれも背びれ以外は松ぼっくりでできています。
竹の台は、水を表しているのでしょう、青く塗られていました。
手に持つと、尻尾がゆらゆら揺れました。箱に乱暴に投げ込まれて、どこか緩んでいるのかと思ったら、そうではなくて、わざわざ揺れるようにつくってあったのです。
身体だけ台に金属の細い棒で留めてあり、持ち上げると身体が左右に微かに動いて、尻尾がそれにつれて揺れて、本当の金魚の動きに見える芸の細かさ。
ちょっと出ている眼、きらきらとした銀彩、赤白の彩色の美しさ、見事な出来栄えです。これをつくった名もない人に頭を下げる以外ありません。
台の裏には「意匠登録第五一六四七号」とありますが、意匠登録しなくても誰も真似することはできなかったし、真似も真似しなかったのではないかと思われます。
お値段?100円でした。
おまけは、歌川圀芳の金魚の浮世絵です。
こちらhiyoco探偵事務所です(笑)。意匠検索してみたところ、(昭和?)6年5月13日に京都市右京区梅畑宮ノ口2番地の澤田文夫さんが「置物の形状模様色彩の結合」で登録されていました。住所が平岡八幡宮のすぐそばなので、参拝客用お土産品かもしれませんね。
返信削除検索するならhttps://www.j-platpat.inpit.go.jp/s0100で意匠を選択して51647を入力です。
すごいですね。松ぼっくり二つからこのようなデザインを思いつくなんて!
返信削除素敵な金魚ですね。塗りも丁寧で。
ただ、松ぼっくりは乾くと開いてくるので、どうしてるのかな?と気になります。そっちも登録してるのかな。
hiyoco探偵事務所さん
返信削除毎度、難問解決ありがとうございますm(_ _;m
ほかのページもいろいろ見てみると、まぁみんなつまらないことで意匠登録している!(笑)。意匠登録大流行りの時代だったのですね。というか、巷に怪しいものがあふれていて、一応意匠登録してあると表示しているものだったら安心だったとかかもしれません。包み紙の意匠登録がやけに多いということは、いいなと思ったらすぐみんなで真似したのでしょうか?タイムスリップして行ってみたいです(^^♪
平岡八幡宮門近くの澤田さん、金魚でうはうはと儲かったかなぁ(笑)。だといいんですけれど。
karatさん
返信削除すごいでしょう!松ぼっくりを見ていても、何ができるか全然浮かんできません(笑)。あの、開いてない松ぼっくりの凸凹が、もう金魚の肌にしか見えないです。
私も松ぼっくりが閉じたままであることにびっくりしました。そのまま煮るとか接着剤で固めるなどしたのかもしれませんね。そのころの接着剤といえば漆とか膠でしょうか?
hiyoco探偵事務所、すごい!!!(笑)
返信削除意匠登録って、本当に不思議な世界です。
春さんちは、知的財産権について大変おおらかなんですが、そこがまた尊敬なんですよね~。
afさん
返信削除hiyocoさんは貝の種類だけでなく、次々とはてなな事柄に応えてくれます(^^♪すごいでしょう!!!
意匠登録っておかしいです。路上観察会の林丈二さんがいろいろ、意匠登録されたへんてこなもの(他人のことは言えない、笑)を集めていましたが。