2022年7月13日水曜日

マフラーの仕上げ、その2


前回の織物教室に続いて、先日はマフラーの仕上げ作業を続けました。
平らに置いたマフラーに、45度くらいのお湯をかけながら、まず、縦方向に伸ばすように、掌で叩きます。


次に、横方向にも伸ばしながら、ぴたぴたと叩きます。


四角く仕上げるため、「みみ」をまっすぐにします。出っ張ったところは押し込むように叩いて縮め、引っ込んだところは広げるように叩きながら押してやります。
あまり、表面だけがフェルト化しないよう、手が滑りやすいよう、ビニール袋を手にはめて表面を伸ばしたりもします。
これらはすべて、たっぷりとお湯をかけながら作業します。



さらに、布団叩きで叩きます。


仕上げたところを巻き取り、同様に全体を仕上げます。
前回は、経糸と緯糸が馴染んで、糸から布になるよう足で踏みましたが、今回は縦糸と横糸が直角に交差して、まっすぐな四角にするのが目的のようです。
形を整えたら、しばし休ませます。

写真はありませんが次に、たっぷりのお湯の中で振り洗いをします。短いものさしをハンガーにしてマフラーの端を掛け、両手で持ち、お湯の表面近くで水平に、ぴちゃぴちゃとスナップを利かせて降り洗いします。一面で20回振り洗いしたら、ものさしをくるっと回して次の面を出してまた20回振り洗い。竹のものさしの幅は3センチほどですから、3センチ刻みにマフラーの長さの約2メートルを順番に、70回×20回くらい洗います。
最後に、マフラーを作業台の上の竿にかけて、房を両手ではさみ、お湯をかけながら両手で強くもんで、房のフェルト化を進めて、1日の作業が終わりました。

さて、Kiさんは、この日、羊毛の染色をしました。


クルミの葉を枝ごと採ってきて、切った葉をすぐ水に浸けます。クルミはあくが出やすいので、すぐ水に浸けるのがコツ、糸(200グラム)に対して倍の重さの葉(400グラム)で染めました。葉は酸化しやすいので、切ったらすぐ水につけるため、あらかじめ枝つきのまま重さを計っておいて、葉を取った残滓の方の重さを計って、葉の目方を出します。


水にさらしたクルミの葉を鍋に入れ、新しいお湯を入れて沸騰してから20~30分煮出します。


表面に浮いた油をすくい取ってから、煮汁を濾します。


煮汁に水を加え、その中に羊毛を入れて、沸騰しないよう、95度くらいの温度で20分ほど煮て、常温までゆっくり冷まします。


羊毛はあらかじめ、ドラムカーダーを使って、カードして、まとめておいたものです。


染めあがりました。
クルミは焙煎の要らない、簡単な材料のようです。

この日私は、マフラーの仕上げをしながら、ひたすら洗った原毛を置いたカーダーの上で梳り、方向を整える一日でした。

前に織りものを習ったとき、糸紡ぎも染色も一通りやりましたが、主には市販の糸を使った、織ることに主眼を置いた織りものでした。固くて太い毛で敷物を織るとか、麻糸でタペストリーを織るなどしていました。
長く触ってもいない織り機を、また使ってやりたいと再開した織り仕事は、はじめてから気づいたのですが、まったく別ものでした。こちらは、どんな糸をつくるかで、出来上がるものが違ってくるという世界、しなやかでたおやかなマフラーやショール、そんな身に着けるものが織りあがりますが、言ってみれば糸づくりが中心になっています。
紡ぐコツがまだつかめない、きれいな糸ができない私ですが、もう少し続けてみようと思っています。





 

2 件のコメント:

  1. クルミの葉で染めた羊毛は味わいある色ですね!でも油がすごそう。
    夏に羊毛の糸を作ったり染めたりするのは暑そうです。この前ダイロンで染めるのに、40℃のお湯で20分かき回すだけでも汗だくだったのに、さらに高温ですよね(笑)。

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  2. hiyocoさん
    クルミって、種の中からは油が搾れるほどですが、葉まで油っぽいとは知りませんでした。結構油が浮いてましたね。手もベタっとしたみたいです。
    染める場所が整っていればともかく台所で作業するのは、確かに夏は暑くて大変です。私も日曜に、汚い羊の毛を糠湯に浸したり、モノゲンを入れて洗ったりしたのですが、羊毛の重さの30倍のお湯を使うので、気をつけていても床にこぼれたりして、大騒ぎでした。

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