10年ほど前に葺き替えていた茅葺きの長屋門を、また葺き替えているのを、6月の初めに見ました。幹線道路からは奥まったところにあるのですが、新しい茅は光り輝いて、目立つので目に入ったのでした。
その後、工事しているのを見に行こう行こうと思いながら時間が取れずにいましたが、週末に客があり、茅葺き屋根の話が出た時、この長屋門を思い出し、7週間ぶりでしたが、行ってみました。
工事の過程を見ることなく、屋根は美しく完成していました。
以前は、棟の端だけに注目していましたが(今回は、端は見るのを忘れた)棟全体が竹で美しく装飾されています。
10年で葺き替えは早いなと思ったのですが、竹は戸外ではあまり長持ちしません。それにしても、棟に瓦を使ったりせず、あくまでも竹を使うというのは、お金持ちだからできることではありますが、お見事としか言いようがありません。
そして、軒下の四隅(二隅しか見てないが)には、竹の節に色を塗った装飾が施されていました。
丸の中にはカメの文様が施されていました。
丸の中の左の方、小さな白い点が見えるのは、カメの目です。
今でもこの様に凝った棟飾りを新調するお宅があり、その技術も健在なのが嬉しいです。
返信削除京都に茅葺きの技術を教える学校がありますが、この様な装飾までも教えているのでしょうか。
茅葺きの棟飾りと言うと安藤先生を思い浮かべてしまいますが、この長屋門の存在はご存知かなー?
reiさん
返信削除もちろん、安藤さんは八郷の茅葺き屋根についてはすべてご存知だと思います。
ただ、ここは葺き替える人脈などは全然違うでしょうね。
みんなで共同して残そうとしている人たち、自力では支えきれないで文化財指定を受ける人たち、まったく個別にやっている人たちなど、いろいろなケースがあります。
茅葺き屋根は、代替わりの時に最大のピンチを迎えるようです。どんなに大切に思っている人でも、息子が嫌だと言えばあっさり壊します。今回、かつて八郷で一番伝統があり美しかった茅葺きの家も訪問したのですが、モダンな建物に変身していました。
また美しかったのに一部銅葺きにしてしまった旅籠(http://koharu2009.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html)では、400年の歴史はもう感じにくくなっていました。一度壊すと、ほぼ再現されることはありません。
隅に竹を入れるのは補強の意味もあるのでしょうかね~。亀、見えました!他の角には鶴もいるのかな?
返信削除hiyocoさん
返信削除補強ではなく、ただの飾りだと思います。ただ、火事にあわないとかいろいろな祈りは込められているのでしょう。
鶴!あったかもしれないですね!!!棟の端の文様と共に、今度見てきます。
この家は大きな家で「ちょっと見せて」と頼むのがなんとなく難しく、いつも単なる敷地不法侵入で見学させていただいているので(笑)、焦っていて、なかなか長居できません。