2022年12月14日水曜日

オリーブの石鹸


手持ちの石鹸が少なくなりました。
手元にあるのは、ほとんどいただいたもの、久しぶりに石鹸を買い足した方がよさそうな在庫です。
買うなら、やっぱりシリアのアレッポでオリーブからつくるアレッポ石鹸でしょうか。シリアで内戦が起きて、政府軍と反政府軍がアレッポで徹底的に戦ったのは、2012年から2016年のことでした。当時は石鹸の在庫が潤沢で、アレッポのことを気にしながらも、アレッポ石鹸を買うことはありませんでした。


ネットで見ると、アレッポ石鹸は健在でした。
石鹸職人が難民となって隣国トルコに逃れ、トルコ領内の難民キャンプでつくっているので、原産国はシリアではなくてトルコになっています。


オリーブにローレル(ベイリーフ)オイルを加えたもの、ラベンダーを加えたものなどいろいろありますが、オリーブだけの6個組みを買いました。
早く使いたい気もしますが、手持ちの石鹸を使いきってからです。


アレッポ石鹸は茶色で、切ると外気に触れていないところは美しい緑色です。

アレッポ石鹸に出逢う前は、現地で買いためていたパレスチナのオリーブの石鹸を使っていました。アレッポ石鹸より小ぶりの真四角な石鹸で、真っ白でした。
これが日本でも買えるかと検索すると、「イスラエルの聖地でつくられた石鹸」として売られていました。
「えっ?」


包装紙にはアラビア語しか書いてないし、生産地を確かめると、案の定ナブルスです。ナブルスは紛れもなくパレスチナの地方都市で、ヨルダン川西岸の北部にあります。イスラエルが道路の途中を封鎖をして、都市間の往来を妨害していますが、ナブルスにはイスラエル人なんて一人も住んでいません。そして、ユダヤ教ではなく、キリスト教の聖地があります。
パレスチナの石鹸がイスラエルの石鹸として売られていて、しかも超高額、私の買ったアレッポ石鹸が15個も買えるような値段で売られています。
誰が儲かっているんだろう、何が起こっているんだろう?
パレスチナの石鹸を見ただけで、懐かしいというより、暗澹たる気分になりました。


追記:

hiyocoさんに教えていただいたサイトに、ナブルスの石鹸づくりの写真があったので、転載させていただきます。


そして、ナブルス名物のクナーファの写真も載せます。


おいしそうすぎて、よだれが出ます。
ナブルスとは「新しい町」の意味、イタリアのナポリと同じです。日本語で言えば新宿でしょうか。
もっとも、ナブルスは1000年前の新しい町であり、新宿は400年前の新しい町ですが。






 

9 件のコメント:

  1. 『牛乳石鹸』とか、そういう、ごく普通の国産?石鹸でもお使いになりますか?
    そういうのでよければ、山ほど、実家にあって、捨てようかという話があるのですが・・・
    (あ、もしかしたら、もう捨てたかも・・・)

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  2. afさん
    ありがとうございます(笑)。
    どちらかと言えば、手づくりの石鹸が好き、インド、インドネシア、中東などの村でつくった石鹸を好んで使っていて、「ごく普通の石鹸」は長く使っていませんが、捨てるとなるともったいないのでいただきます(^^♪
    でも、お気になさらないで!
    わが家にも石鹸の在庫がいっぱいあって、それはそれでとても楽しんでいたのだけれど、久しぶりにアレッポ石鹸を使える機会が到来したので、喜んでいます。

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  3. パレスチナとイスラエルの関係は、春さんのブログを読んで知ったので、よくわからない人たちはたくさんいると思います。なので、これからもいろいろ書いて下さいね。
    ナブルス石鹸でいろいろ見ていたら、法外な値段で売られているラクダの絵の石鹸について、この売り上げはどこへ?と春さんと全く同じことを書いている方がいました(笑)。その方のブログの中に、ナブルス石鹸を作る動画があって面白かったです。https://ameblo.jp/satoko03/entry-12764402234.html

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  4. hiyocoさん
    ありがとう。
    なぜか教えていただいた動画は見られなかったのですが、その検索先にイイヅカサトコさんという方のブログが出てそれを見るとあの、どこにでもあった石鹸が存続の危機になっていると知りました。残念。パレスチナ人の生活は誰もが苦しいと思いますが、石鹸もつくれなくなるのは悲しいです。

    ナブルスと言えば、お菓子が美味しいのでも有名です。とくにクナーファは絶品、石鹸とともになくならないで欲しいものです。
    甘すぎるけどどれも美味しいパレスチナのお菓子。クナーファはポケットティッシュを3つ重ねたくらいの大きさですが、お酒を飲まないパレスチナの人は、男の人も脂っこいご飯を食べた後にそれを2つ3つ、楽々と胃に収めます。

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  5. hiyocoさん
    追記で、石鹸づくりの写真を載せました。

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  6. すみません、説明不足でした。貼ったのはイイヅカサトコさんのブログで、その中に動画が埋め込まれていました。直接動画見れるようにアドレス載せますね。https://www.youtube.com/watch?v=pvsLCFaglGY
    石鹸とクナーファ。どちらも材料を平らなところに広げて四角く切るという、似た作り方で可笑しかったです。
    ナポリはそういう意味だったんですね!

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  7. hiyocoさん
    ありがとう。動画見ました。すっごく面白かった!そして、何気に買っていた石鹸があんなふうにつくられていたのを知って感動でした。
    今では洗剤もあるし、ボディーソープもあるので、石鹸の需要が落ちているのは確か、それに加えて輸送が難しい、強力なNGOにフェアトレードで取り扱ってもらいたいところですが、ナブルスからエルサレムまで運び、そこから国外に出すのが、最大のネックです。イスラエルはパレスチナ人が経済的に自立して力を蓄えないようにと、必ず妨害するでしょうから。
    アレッポ石鹼のように、多くの人々に受け入れられて欲しいです。

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  8. 石鹸の動画、衝撃的でした。
    機械のある工場しか思いうかばなかったです。
    脳みそが完全に工業化に汚染されています。

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  9. afさん
    あはは、素適な石鹸工場でしたね。
    切るのも素敵、刻印を捺すのも素敵、タワーに積むのも素敵。きっといい匂いが漂っていると思いますが、行く機会がなかったのが残念です。

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