糸を紡ぐ前には、羊毛をカーダーで整えて、編み棒を中心にしてくるっと丸めて、
紡錘状にします。
きつく巻きすぎると固くなりすぎるとか、芯にして丸める編み棒が太いとうまく紡げないとか、そのあたりの加減はまだ、まったくわかりません。
12号の編み針では太すぎるとのこと、8号の編み針に替えました。
なかなか編みものをする機会はないのですが、竹の針は揃っています。
それにしても、ヨーロッパでは日本より早く棒針編みをしていたはずだけど、竹のない地域でどんな針を使っていたのだろう?急に興味がわきました。
日本では、棒針編み、かぎ針編み、ボビン編み、漁網編み、籠編み、ビーズ網などすべてひっくるめて編みものですが、棒針編み(Knitting)に限ると、古代の遺跡から発掘された編みものは、別の編み方をされたものだそうで、はっきりした棒針編みが認められるのは紀元後のことのようです。
では、どんな編針が使われていたのでしょう?
マイスター・ベルトラム1400-1410年ごろ |
この絵に描かれた編み針は、木でしょうか、金属でしょうか。
アルベール・アンカー1884年 |
19世紀に描かれた絵の編み針は、金属に見えます。
ドイツ製リリアンの道具 |
もちろん、皮をむいただけの木の枝も含めて、木の棒針もあったことでしょう。
チェコのボビン |
今の常識から考えるとボビンレース編みは気の遠くなるような作業ですが、編みものを道具から考えると、ヨーロッパの人々にとって、ボビン編みは棒針編みよりずっと身近だったのかもしれません。
ちゃんとボビンとしてつくられたものだけでなく、何でもボビンの代用になったはずです。
さて、竹の編み針のことを考えていて、以前にも書いた、筬(おさ)のことを思い出しました。アジアには竹があるので、細かで均質な筬をつくりやすかったのですが、竹のないところでは、よい筬を手に入れるのは大変だったことでしょう。
そういえば、コートジボアールに住むバウレ人の筬の歯は、いったい何でできているのでしょう?
見た限りではすべすべしていて、使いやすそうです。
エチオピアの筬は、葦でできていました。
バウレの筬も、エチオピアの筬同様、葦やモロコシの茎などでつくられていると思われます。
エチオピアの筬は、定期市場で売られていた新品なのでけば立っていますが、バウレの筬は使用したものなので、すべすべしているのでしょうか?
筬の歯がけば立っていては、こすられる経糸(たていと)があっという間に切れてしまうので、あらかじめ要らない糸などを通して磨くなど、工夫がされていたのかもしれません。
竹の歯ということで、櫛も思い出しました。
ネパールの櫛は、ネパールでは貴重な(高度のある寒いところでは繁殖しにくい)竹を使っています。
南米の櫛は、おそらく葦などを使っているのでしょう。
竹がない地域でも代用品はありますが、やっぱり竹は優れた材料です。
最近は、日本ではどこでも邪魔者扱いされているのが残念ですが。
フェア島のフェアアイルの編み針は金属だったようです。木もあまり生えない島だったようで、カチカチという編み針の触れ合う音が…という文章がありました。輪で編んで行くのに三本の棒針ということも、ちょっと想像できないですが(今は輪針で編むから大丈夫ですが)。ただし今ではフェア島でも手動の機械編みのようです。
返信削除karatさん
返信削除ネットでフェア島で3本の棒針で編んでいるのを見ました。知らなかった。4本にすればいいのに!三角って融通が利かないの、彼らもわかっていますよね?
イギリスの編みものの歴史も意外と新しいみたいです。金属の針が手軽く手に入るようになってからなのでしょう。
私も輪針を使ったことはありますが、棒針のように針を替えるときの気分転換できず、だらだら続くので、好きじゃありませんでした。
手動の機械編みって輪編みではなくて平面で編んで脇でつなぐのかな?私の母も中細糸では機械で模様を編んでいましたが、太い糸の模様編みの場合は棒針で編んでいました。