8月3日、箕の日ということで、勝手に協賛、勝手に便乗しています。
岩手県の面岸箕です。
日本の箕は、伝統的に経(たて)にヤマフジ、緯(よこ)に竹を使った箕が多く、それゆえに藤箕と呼ばれました。しかし、竹が採れない寒冷地では、その土地で採れる材料が使われました。
面岸箕は、経にヤマネコヤナギの皮、緯にサルナシを使い、縁には根曲がり竹、擦り切れやすい奥と口は、ヤマネコヤナギの皮を山桜の皮で補強しています。
4種類の材料を使っているのですが、箕の中にはもっとたくさんの種類の材料を使っているものもあります。
多種類の材料を使う箕づくりで最も大変で大切なのは、材料集めだと言われています。
サルナシの採集時期は5月ごろ、ヤマネコヤナギとヤマザクラの樹皮は、梅雨時の6月ごろ、そして縁に使う根曲がり竹は、3、4年ものを選び、晩秋から冬にかけて採集します。
面岸箕の口の両脇には、マナグ(=マナコ、眼の意)がついていて、煽った穀物を袋などに移すとき重宝します。
面岸箕は、日本の箕の中でも特に美しい箕だと思われます。
私も、お米をつくっていた10年間は箕が必需品でした。
足踏み脱穀機で脱穀したお米にはちぎれた葉などゴミがいっぱい、唐箕をうまく使いきれず、手箕でしこしことごみを取り除き、新米が口に入るのはいつも年が明けてからでした。
そんな箕も、今では冬に切った野菜を干すときに使うくらいです。
それでも、箕には目をいつも楽しませてもらっています。
「おもぎしみ」と読むのですね。美しい。と言うか愛おしくてつい撫でてみたくなりそうな箕です。通販で手に入るのですが、残っているのは大きなサイズで高価なもの。小さいサイズの再入荷通知依頼をしました。
返信削除reiさん
返信削除面岸箕は名前も美しいですよね。箕はとっても美しいです。
籠師さんは80歳をとおに越えているはず、材料集めが大変なのではないかと思います。
作っていただけるといいですね。