2023年8月12日土曜日

Fさんのアトリエ

夫が今設計している家のことで打ち合わせに行くのに、急について行くことになりました。


川べりに建つちょっと変わった古い家、ただ別室で打ち合わせが終わるまで待っているだけだろうからと、その間に読む本まで持参したのですが、建築家Fさんのアトリエには見るものがあふれていて、本を開く間もありませんでした。


まず目に入ったのがこれ、立体折り紙は好きだけれど、こんな風につなげてつくるなんて想像したこともなかった、途中でイライラしてしまいそうで、私にはつくれないものです。
折り紙の左にある立方体は、組み子のようです。
「これで遊んでもいいですか?」
「どうぞ」


立方体は簡単にばらばらになりました。
頭で考えて組む人もいるだろうけれどそれは苦手、頭は使わずに手を使って、出たとこ勝負で組んでみます。
何度もカチャカチャとやってみますが、最後のピースがはまらない形に隙間が残ること数回。


どのくらいかかったか、やっと組むことができました。


次は引き出しのつまみにも興味津々です。


枝が残った杉板の節を利用していますが、どうやって、表面をすべすべにしたんだろう?
あとで教えていただきました。節のある板を縦に裂いて(へぎ板にして)割り、節をポコッと残したのだそうです。割ってみると、つまみにするには細すぎた節、腐って美しくない節などあって、この倍以上裂いたそうでした。
表面は鉋を使わなくても、ある程度すべすべになったとか、引き出しは職人さんにつくっていただいたものだそうで、私のつくる引き出しと違って、とてもよくできていました。


引き出しの上に乗っていたこれは何でしょう?


製図するときに、等分割する道具だそうです。
たとえば、40ミリを7分割したい時には、40ミリの上にこれを、隙間が7つできるよう広げておけばいいのです。
今でもディコール(等分割ディバイダー)は売られていて、手に入りますが高額でした。Amazonのレビューを見ると、等間隔ではないという苦情、これだけたくさんの孔をあけて小さなリベット(?)で留め、そこの部分が動くという仕様上、まったく誤差が出ないのは難しいだろうという意見などが載っていて、私はこれをつくった(町工場の?)方への称賛の方に1票です。
レビューのある商品の倍近い値段のディコールは、高すぎて誰も買わないのか、あるいは性能に満足しているのか、レビューは一つもありませんでした。


というわけで、このコーナーだけで、大いに楽しみました。
右はFさんがつくられた建物模型です。


玄関に置いてあった子ども用の椅子は、Fさんがお子さんが小さかった時につくられたものだとか、座はお尻のくぼみを彫ってあり、座面以外の木は流木でつくったそうでした。





 

10 件のコメント:

  1. さすが、春さんの観察眼だと、こうなるんですね~。
    見えているものが違う・・・。
    お待たせしているなと思っていたので、こんなにも楽しまれていたのなら、安堵しました。

    さておき、ディバイダーなんですが、すごくほしくなっちゃって。
    というのも、今年の製図試験の課題が図書館なんですが、RCのスパン間に均等に書架や閲覧席を書くんですが、なかなか、均等にかけなくて。でも、目が飛び出るほど高い!!!とはこのことですね。調べてビックリしました!たしかに、精巧にできていての一品生産かもしれないと思うと当たり前なのかもしれませんが。メルカリで調べてみると、過去に格安出品があったことはわかりましたが、レアそうです。
    そうしているうちに、比例コンパスというものの存在を知りました。こちらのよさそうなのをメルカリで注文してみました。そんなことに時間を使う暇があったら、一枚でも多く描いたほうがいいと先生の声が聞こえてくるようですが、、、到着が楽しみです。

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  2. 積み木は、ニキーチンの積み木ですね。
    かつて夫が、ハンズで買った直方体に着色して作ったものが今でも捨てずにあります。
    直方体の各面を斜めに塗り分けてパズルにしたものも作りました。
    当時は「暮しの手帖」がニキーチン教育を拡めました。懐かしいです。
    既製品は今も販売されている様です。

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  3. afさん
    Amazonのレビュー見ました?等分割ディバイダーを使って精密機械を作るのではないから、0.0何ミリとかいう誤差は気にしないといえば気にしませんが、「〇〇は私が返品した誤差のあったもの」とか言われたら、メルカリで買うのが怖くなりません?(笑)
    コンピュータでなく手で製図するなら、等分割ディバイダーは絶対欲しくなる道具ですね。美しいし。
    比例コンパスも知りませんでした。使いこなすまでに時間がかかりそうではないですか?確かに1枚でも多く製図した方が近道かも(笑)。

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  4. reiさん
    ニキーチンの積み木ですね!
    あるいは、オリジナルを真似てFさんがご自分で作られたものでしょうか?
    afさんに倣ってメルカリで見ると、いろいろな方が手作りされているようでした。
    これ、単純そうに見えて面白かったです。私も作ってみようかな(笑)。慣れると目をつぶってもできるのかもしれませんが。

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  5. 引き出しの節を取っ手に使うのは面白いですね!でも将来ポコッと抜けたりしないのかな?
    もしかして、これってafさんのお宅ですか?afさんの他にFさんちの設計もしているのかーと思いながら読んでいましたが(笑)。

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  6. hiyocoさん
    引き出しの取っ手は、ボンドをつけてずるしている(?)ものもあるとか、
    使えなかった節も、オブジェみたいにしてパネルにしてありましたが、どのくらいの割合で取っ手として使えるものがとれたのか、3割以下じゃないですかね(笑)。

    afさんのお宅じゃないです。同じFさんですものね(笑)。でも、afさんちの設計に関係していて、ある部分をお願いしている方でした。
    私はただ、afさんにお昼をごちそうしていただくためについていきました。afさん、ごちそうさまでした。

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  7. 春さんとお会いすると元気が出るのは気のせいでしょうか?
    あの日から、また、もりもりと勉強しています。
    ところで、比例コンパスが届きました!が、精度以前の問題として、扱いが難しくて、目分量でやったほうがいいのかなと思えてきました。ただ、凝りもせず、製図メーカーじゃなく、工芸ツールのメーカーが安価で出しているのをみつけ、ポチってしまいました。こちらはどうなりますやら・・・(まだ届いていません)

    hiyoco探偵にも、むずかしいF攻撃でしたでしょうか?笑
    Fさんにはこれまで何度もお会いしていたのですが、Fさんのアトリエに伺ったのは初めてでした。
    アトリエを拝見して、Fさんの価値観を垣間見た気分でした。
    細かく緻密なタイプで、スケール大きくダイナミックな駿介先生とはタイプが違う感じでした。
    いずれにしても、私の家の設計にかかわっていただくには立派な方々ばかりで、まずは私自身が価値観を再構築しなければと焦っているところです。

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  8. afさん
    もりもり勉強、ご苦労さまです(笑)。
    比例コンパスは、私には使いこなせそうに見えませんでしたが、afさんならすぐ使いこなせるようになることでしょう。
    ポチっとしたというのは、等分割ディバイダーのことですか?そちらは簡単に使えそうですね。精度は置いておいたとしても。

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  9. 続報です。レザークラフト用の等分割ディバイダーが到着しました。3980円でした。
    https://store.shopping.yahoo.co.jp/lethercraftdubro/toubundivider-7.html

    十分な精度でした。1/200の図面に、0.5mmのシャーペンで描く条件であれば、全く問題ないかと思います。
    均等に穴をあけるとか、縫い目を印をつけるときに使う想定のようです。しかも、実際に使ってみて、とても具合がいいです。
    単なる割り算を端折ろうという魂胆ですから横着だといわれそうですが、見栄をはる余裕はありません。試験時間中、1/1000、1/400、1/200、さらに、1/100、1/50を計算することもあるので、少しでも楽したいという気持ちが抑えられません(笑)

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  10. afさん
    わぁ、便利そうですね。
    そういえば、私が一番等分割ディバイダーを使いたいのは、組子というか格子を作りたいときです。学校で先生が黒板で使うために大きな三角定規を使っていましたが、あんな大きな等分割ディバイダーが欲しいです(笑)。

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