2024年1月15日月曜日

家具の置き方

母屋ができる前、骨董市などで、新居でどう使おうかと想像しながら家具を見るのが楽しみでした。
でも実際には、部屋に家具を置くというのはとても難しいことです。机が素敵でも、箪笥が素敵でも、それの組み合わ方や、どこに置くのかによって、空間が死んでしまったりします。
日本の伝統的な家屋なら、ほぼ何も置けません。何もない方が美しいからです。
近代的な家でさえ、居間の椅子やテーブルの高さと、食卓の椅子やテーブルの高さの関係のつけ方がうまくいっている事例はそう多くない、ほぼないと思われます。


我が家の場合、水屋(食器棚)は、もともと組み込むようにつくり、水屋の幅に合わせて柱を立て、壁も張ったのでこれは問題なく収まりました。
でも独立家具となると、試行錯誤、いろいろ変遷しています。


水屋の脇、長椅子の後ろの空間には、最初は木の根っこのテーブルを置いていました。


ところが、地下室に置いてあった古い中途半端な高さの中国の机を飾り棚として使って、この場所をもっと立体的に使おうと引っ張り出して来たら、木の根のテーブルは大きすぎて、いっぱいいっぱいになり、足も踏み込めなくなりました。
そこで、作業棟もできたことだしと、重い木の根のテーブルは屈強な男性がたくさん来た時に作業棟に移してもらって、これまた地下室で眠っていたOさん作のテーブルを引っ張り出してきました。


居間で使おうと買ったのに、居間では使えなかったものです。
Oさんのテーブルは、飾り棚になってしまいましたが、場所的にしっくり収まって気に入っています。


中国の古い机とOさんのテーブルにはさまれた場所には長く、書生さんの本棚みたいなものを置いていました。
蓋のついた棚と、鉄金具のついた引き出しのある本棚は、高さもちょうど良く、長く置いていたのですが、ある日夫が言いました。
「作業棟に置いてある鏡を捨てていい?」
「えっ? あれっ? ちょっと待ってよ。だめよ!」


鏡台は、以前住んでいた東京のマンションに置いていました。そのあとに住んだ次男の連れ合いのあっちょが使っていたのでそのままにしていたものの、次男一家がこちらに住むことになったとき運んできて、作業棟に置いていました。
次男家族の新居には棚も引き出しもある洗面台があり、鏡台は必要ありません。


「危ない、危ない!」
夫に危うく捨てられるところだった鏡台を、すぐに母屋に移しました。そのため、書生さんの本棚の行き場がなくなり、あちこちに置いてみていましたが、M+MのMちゃんが、何かを置く台が欲しいと言っていたのを思い出しました。


訊いてみたら要るとのこと、書生さんの本棚は、M+M家にもらってもらうことになりました。
活用できてよかった、残るは木の根のテーブルです。家具は少ない方がいい。そして家具の置き方は、とても難しいものです。






 

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